米国の大学進学を表明している花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(3年)が1日、アメリカンドリームに胸を膨らませた。花巻市内の同校で取材対応。史上最多高校通算140本塁打のスラッガーは、9月の渡米時に大学5校を視察し、進路を絞るために再び米国に行く予定だ。今秋のドラフト会議でプロ志望届を提出すれば、ドラフト1位指名が確実視されていた中で留学を決断。来年9月の入学に向けて準備を進めている。

  ◇  ◇  ◇

佐々木麟の表情は希望に満ちていた。米国の大学進学を表明し約2カ月。現在は練習と英語の勉強を両立し、週3、4回はオンラインで英会話の授業を受けている。「アメリカに決めたのも、メジャーへの近道だからというのは全くない」。プロ志望届の提出期限直前までプロ入りするか悩んだ。「野球だけできる人間は目指してなく、野球もできる人間になりたい」。視野を広げ、人として成長できる道を考え、留学を決断した。

9月には1人で渡米した。名門バンダービルト大など5校を視察。「見たことない世界を見た衝撃もありました」。10日間ほど滞在し、メジャーの試合も観戦。「アメリカに行くって中でモチベーションになった」。本場の野球に触れ、充実のひとときを過ごした。

メジャーでは、花巻東OBのエンゼルス大谷が2度目のア・リーグMVPに輝いた。「全然届くレベルではないですが、すごい目指している先輩でもあるので、1歩でも追いつけるように」と刺激を受けた。

近々、2度目の渡米を予定する。4年制の複数候補から1校を選ぶ作業に入る。「入学自体は(来年)9月で、まだまだ急ぐことではないのですが、そこで絞って決めたい」。米国で活躍すれば、日米大学野球選手権で「USA」のユニホームを着て、日本と対戦する可能性もある。「そういうチャンスもあるので頑張りたい」と意気込む。

メジャーかNPBを目指すかなど大学卒業後の進路は、じっくり考える。「大学の野球生活で、どれだけ結果を出していくかにフォーカスしたい」。未来を切り開くために1日1日を全力で生きる。【山田愛斗】