知徳のプロ注目右腕・小船翼(2年)が3日、愛鷹球場で行われた学法石川(福島)との練習試合で、今季実戦初先発を迎えた。プロ3球団のスカウトが見守る中、予定の5回を投げて5安打1失点(自責0)。「無失点に抑えたかった。球数が多く、良くはなかった」と反省を口にした。

初回からボールが先行し、球数は計78球を費やした。それでも、無四球と粘る。2回に味方の失策絡みで1点を失ったが、追加点は許さなかった。最速150キロを誇る武器の直球もこの日、スカウトのスピードガンで146キロを計測。「8割程度」の力で140キロ台を次々と投げ込んだ。

冬場は、197センチと恵まれた体格の強化を中心に鍛錬に励んだエース。センバツを控える強豪との腕試しを終え「コンスタントに140キロ台を出せたこと。悪い中でも1失点に抑え、課題が見つかったことも良かった」と振り返った。

20日には春季県大会の予選が開幕し、初戦となる23日の2回戦で桐陽-御殿場西の勝者と対戦する。小船は「相手も強いと思う。それに負けず、強い気持ちで試合に臨んで圧倒していきたい」と力を込めた。【前田和哉】

○…チームは2-1で逆転勝ちした。1-1の同点で迎えた9回2死二、三塁の好機。原田勇磨投手(2年)が外角直球を捉え、勝ち越しの左前適時打を放った。原田は投げても6回から2番手として登板し、4回4安打無失点。投打で勝利に貢献した左腕は「ブルペンから調子が良くて、スライダーでカウントと空振りが取れたことが良かった」と笑顔だった。初鹿文彦監督(48)も「甲子園に出るチームと試合ができ、勝てたことは大きな財産になる」とうなずいた。