帝京長岡(新潟1位)が東京都市大塩尻(長野1位)を下し、秋春通じて初の北信越大会制覇を成し遂げた。

同校監督就任5年目にして、初の悲願を達成した元日本ハム投手の芝草宇宙監督(54)は「この大会でここまで選手たちがどんどんレベルアップしてくれてね、非常にうれしい大会になりました」とナインをたたえた。

この春、指揮官の脳裏には苦い経験が残っていた。昨春に初V。しかし、優勝候補として挑んだ夏は、3回戦で長岡に0-9の7回コールド負けを喫した。

「自分の中で、春の大会で優勝をして、でも夏にはつながらなかったから。正直、チームとしてもうまくいかなかったし、どうなんだろうという思いはずっとあった」

そんな思いを同校の浅川節雄校長が拭い去った。県大会開幕前に校長室を訪ねた。

「『優勝していいんじゃないか』と。そこでハッと気づかされた。優勝したことがダメなんじゃなくて、やっぱ優勝しなくてはいけない。今年も勝って、去年の経験を生かすことが大事なんだと気づかされた」

決意を改めて挑んだ5年目の春。2年連続で県王者に輝き、勢いそのままに北信越も制した。決勝には浅川校長も応援に駆けつけた。「ここまできたら必ず勝ち切ろうと。結果には満足している」。試合後には、指揮官の顔に笑みがこぼれた。

王者で臨む2度目の夏まで、残り約1カ月だ。「まずは夏の大会を勝ちきれるだけの体力と精神も鍛えて、技術の部分も上げていきたい」。この春に一皮むけたチームで、初の聖地を目指す。【大島享也】