武修館の主将・斉藤猛虎中堅手(3年)は、6月30日の釧根地区の北北海道大会代表決定戦で一塁にヘッドスライディング。右肩の関節を支える靱帯(じんたい)を損傷する重傷を負った。「関節を支える部分が崩れ落ちて、いつ脱臼してもおかしくない状況」(斉藤)で、全治5週間の診断を受けたが、北北海道大会開幕直前に医師の許可を得て、強行出場した。
第2打席は四球を選び、次打者の2球目に二盗を決めた。敗色濃厚な1-6の9回2死一塁からも四球で出塁したが、勝利には届かなかった。「試合中はアドレナリンが出て痛みはなかった。出場するからには、チームに貢献したかった」と斉藤。バットを振り切れないため、5回の第3打席と7回の第4打席は、わざと中途半端にバットを出して広く空いた三遊間を狙ったが、いずれも内野ゴロとなった。
熱い阪神ファンの父に“猛虎”と名付けられ、釧路昭和小3年で野球を始めた。自身も熱狂的な阪神ファンで、プレースタイルは「阪神の近本選手」を手本とする。同じ1番・中堅手として、打撃・守備とも、常に参考にしてきた。この日も2度の出塁で昨年の甲子園出場校にかみついたが、白星はつかめなかった。
ベンチ前でクラークの校歌を聴いている時から、大粒の涙がこぼれ落ちた。「今後のことは何も考えていませんが、野球は続けていきたい。後輩たちには、来年もここ(旭川スタルヒン)で楽しく野球をしてほしい」と振り絞り、“北の猛虎”が球場をあとにした。

