<高校野球山梨大会:日本航空4-3帝京三>◇19日◇準々決勝◇山日YBS球場
帝京三・中島綾平内野手(3年)は高校野球を終え、すがすがしい表情で2年半前の入学当時を振り返った。「親、泣いていましたね」。
波の美しい湘南・七里ケ浜の近くで育った。「自分に合っているかな」と両親に話し、進学したのは海抜800メートルのリゾート地・小淵沢にある帝京三。母の麻子さん(51)が「とにかく水がおいしい、って言ってましたね」と懐かしむ。
泣いたくらいだから時間があれば通った。170キロ、片道3時間近く。「渋滞も多いですからね」。中央道の八王子ジャンクションに小仏トンネル。止まれば動かない。「抜け道もたくさん覚えましたよ。今にもサルとか出そうな道を。神奈川の山奥の道に車幅規制のポールがあるの、ご存じですか? あそこで車検証を見て、この車通れるのかな~って調べたり」。
そうまでして追いかけたわが子の青春。負けてしまったけれど2本の適時打で跳びはねた。そんな母に息子は思いを寄せる。「ずっと足を運んで来てくれて、話してくれて、ケガした時期も支えになってくれて。今日はそんな親の前でベストを出せたと思います」。これからも胸を張って野球道を歩む。【金子真仁】

