1-1で迎えた4回表2死二塁。打席には小山台(東東京)の黒崎裕太外野手(3年)。「打席に入っている時に応援の声がすごく聞こえてきて。みんなで打ったヒットだなと思います」。力強く振り抜いた打球は、勝ち越しの中前適時打となった。

スタンドからの応援に人一倍燃えるのには理由がある。一卵性の双子の弟で野球部の翔太(3年)が声をからしているからだ。2人は小さい頃から同じ道を歩んできた。互いに小学2年から野球を始め、バッテリーを組んでいたこともある。勉強を教え合いながら高校受験に挑み、そろって進学校でもある同校に合格。高校生活でも切磋琢磨(せっさたくま)しながら努力を重ねてきた。

迎えた最後の夏。「一緒にベンチ入り」という目標はかなわなかったが、だからこそ裕太は弟の分まで必死にプレーする。「春先の調子が悪かったので」と背番号は18だが、3試合連続でスタメン出場し勝利に貢献。翔太も「自分がプレーしている気持ちで応援できるのは恵まれている点かな」と大きな声で、グラウンドに立つナインの背中を押している。立場は違えど、思いは1つ。黒崎兄弟の夏はまだ終わらない。【水谷京裕】