花咲徳栄が“先攻の王者”ぶりを発揮し、5年ぶりの夏甲子園を決めた。

試合前の攻守決定、生田目奏主将(3年)はじゃんけんに勝利し、迷わず「先攻でお願いします」と言った。

後攻ならサヨナラ勝利の可能性も発生するが、花咲徳栄はここ数年、先攻を選ぶことが多い。岩井隆監督(54)があらためて理由を説明する。

「先攻を取ると投手が休めるから。それと相手の立ち上がりを攻められるから。給水やグラウンド整備が3回裏終わり、5回裏終わり、7回裏終わりにあって、その時は先攻だと自分たちの攻撃陣も休めるから」

夏の甲子園に出場できなかったこの5年のうちに、延長タイブレークが延長10回の攻守からになった。無死一、二塁での攻撃開始。ますます「後攻有利」と思われがちだが、岩井監督の考え方は違う。

「逆に、表の攻撃で3点とか4点を取られた方がイヤ、という考え方もあります。今日のうちみたいに。そうすると送りバントしづらかったり、作戦の幅が狭くなっちゃうから」

先手先手ですよ、と岩井監督は言う。狙い通り、この日は初回に4番石塚の適時打で2点を先制し、昌平の強力打線に追いすがられながらも、一度もリードを許すことはなかった。

延長10回に5得点できたことで、直後に相手にすぐさま3ランを浴びても「無死走者なし、2点リード」と割り切れた。関東屈指といわれる強力打線と、遊撃石塚を中心とした堅実な守備がその戦術を支える。

とはいえ7点差を追いつかれた西武台戦、4点差を追いつかれたこの日と、先攻には先攻のリスクや気苦労も当然かなりある。

「大会中に2キロもやせちゃったよ…」

少しスリムになった体で、胴上げの輪に向かった。【金子真仁】

各地区開催日程、組み合わせなど【高校野球 夏の地方大会2024】特設ページはこちら>>