白樺学園(北北海道)は創成館(長崎)に0-1で敗れ、13年ぶり初戦突破を惜しくも逃した。

先発のエース右腕・半沢理玖投手(3年)が8回途中5安打1失点(自責0)の好投。3回に犠飛で許した先制点が決勝点になった。亀田直紀監督(37)の就任と同じ22年に入学した3年生10人が最後の夏に結束してたどり着いた9年ぶりの甲子園。先発5人が2年生のチームは、強くなって聖地に帰って来る。

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聖地での勝利まで、あと1歩届かなかった。最終回。2回以降で初めて先頭打者が出塁し、4番大西もこの日2安打目を放ったが、最後までホームが遠かった。仲間の逆転を信じてベンチで見守った半沢は、やり切った表情で「すごく悔しい気持ちはあるけど、個人としてもチームとしてもいい準備をした。楽しく投げられた」。夢だった聖地のマウンドで力を出し尽くした。

例年より半分ほどの10人しかいない3年生が最後の夏、公式戦で初めてそろってメンバー入りした。難病のもやもや病で2度の開頭手術を受けた背番号19の阿部匠真内野手ら、北北海道大会でベンチ外だった3人もベンチで一緒に戦った。今春は十勝地区予選で敗退。主将の藤原は「1回チームがバラバラになった」と振り返る。小中学と主将経験がなく、まとめ役としてうまくいかなかった。そんな姿にチームメートからは「キャプテンを降りろ」と厳しい言葉も飛んだ。部員は57人中56人が同じ寮生活を送る。私生活から見直して認めてもらう努力をして信頼を得ると、自然とチームがまとまった。

チームは悔しい思いをした選手の分も戦うと決めていた。北北海道大会でチームトップの打率4割7分6厘をマークした2番打者の久保翔馬内野手(2年)が、決勝で右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。この日は記録員としてベンチに入り、プレーはできなかった。それでもチームのために、ベンチ外の選手と創成館の分析を重ねた。投手の配球や特徴など、パワーポイント約10枚分を全員で共有。初回先頭で安打を放った藤原は「真っすぐがいい」と聞いていた。直球に思い切りバットを振って「ヒットにつながった」と感謝した。

先発5人が2年生。亀田監督は「2年生も感じるものがあったはず。また一からやっていきたい」と新チームでの甲子園再挑戦を誓う。「自分たちも結構いいチームを作れたと思うけど、甲子園で1勝もできないっていうのが結果。これ以上のチームを作って欲しい」と藤原は目を真っ赤にしながら、後輩たちに夢を託した。【保坂果那】