甲子園に、初めての校歌が響き渡った。夏初出場の石橋(栃木)は先発の入江祥太投手(3年)が毎回の11奪三振で4安打完封し、学校創立100周年で新たな歴史を刻んだ。栃木の県立高の甲子園勝利は02年の小山西以来、22年ぶり。霞ケ浦(茨城)は強打の智弁和歌山(和歌山)に2者連続本塁打を浴びながらも、延長11回タイブレークを制し、こちらも初勝利を果たした。青森山田は長野日大を11安打9得点で破り、滋賀学園は花巻東(岩手)に勝利した。
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新世代の「17」が涙にぬれた。花巻東・古城大翔(1年)は4番三塁での甲子園デビューで2安打したものの、初戦で姿を消した。「自分のせいで、チームに迷惑しかかけなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいです」。右手で涙をぬぐいながら整列へ向かった。
180センチ、94キロの右打者は初回、いきなり2球連続で豪快に空振り。バットを短く持ち直し、最後はフォークをうまくレフト前へ。第2打席もライト前へ運んだが、中盤以降は併殺打に見逃し三振。守備や走塁でもミスがあった。
背番号17を付けた。アストロズ菊池雄星、ドジャース大谷翔平、さらにはこの日スタンド観戦した米スタンフォード大の佐々木麟太郎ら、花巻東の名だたる先輩たちが付けてきた出世番号だ。「負けられない気持ちで入学しました」と言っていたものの、試合後は「全然追いつかない存在なので、もう1回、1から見直したいです」と声を震わせた。
佐々木洋監督(49)も「とにかくスイングが強い」と認める、巨人3軍コーチの古城茂幸氏(48)を父に持つ逸材。「自分の打撃でチームを引っ張れるような存在になりたいです」。半月の下で泣いて、最初の夏が終わった。【金子真仁】
◆しんがり敗退 49代表の最後に登場した花巻東が初戦敗退。49代表制となった78年以降、組み合わせ抽選時に相手が決まらない「しんがり登場校」は19年智弁学園から5連敗となり、通算11勝34敗1分け(勝率2割4分4厘)。

