甲子園初安打は、歴史に残る1発となった。青森山田の1番佐藤洸史郎外野手(2年)が4回1死、3球目の内角直球を捉えた。「今までにないくらい飛んでいたので、入ったと思いました」という確信の左越えソロ。今春から導入された新基準の低反発バットで、右打者の甲子園初本塁打だ。大歓声を浴び、ダイヤモンドを1周。「気持ちよかったです」と笑顔だった。
佐藤洸の兄・凜太郎さん(20)は、本塁打に「驚きです」と目を見開く。小学校まではともに野球をしており、「(弟は)負けず嫌いで、なんとしてでも自分に勝とうとする」。負けん気が強く、ずる賢い弟と競い合った。
「自分はホームランバッターではない」という佐藤洸に対して、凜太郎さんは長打を狙う打者だった。タイプは正反対。しかし、よく弟からスイングの動画が送られてくる。11日にも家族ラインに送られてきたばかりで、そのスイングには力みがあった。凜太郎さんは「もっとリラックスして打ったほうがいいよ」とアドバイス。そのかいあってか、第3打席で力感なく左翼席に放り込み、第5打席では左翼手の頭上を越える適時三塁打を放った弟。「全然(自分に)勝ってますね」。兄も認める大活躍だった。
青森大会決勝での逆転満塁弾に続く2試合連続本塁打で高校通算は8本となった。8強入りした今春センバツで、4打数無安打に終わった悔しさを晴らすかのように長打を連発しているが、佐藤洸は「次の試合もヒットを狙って。ホームランは狙わず、いい結果を出せたら」と謙虚。むしろ、1打席目に出塁できなかったことを悔やんだ。次戦は石橋(栃木)と対戦。「ヒットが出なくても、エラーを誘ったりフォアボールだったり、やることをやって勝ち切りたい」。出塁してチームを勢いづけることが自分の役割。次戦も1番打者を全うする。【浜本神威】

