過去の暴力事案を巡り、開催中の第107回全国高校野球選手権の出場を途中辞退した広陵(広島)が21日、中井哲之監督(63)と中井惇一部長(30)の交代を発表した。
後任の監督には松本健吾氏(34)が決まった。松本氏は広陵を卒業後、広島修道大を卒業している。
8月23日から始まる来春センバツ出場の重要参考資料となる秋季広島大会への出場をかけた地区予選大会に関して、同校は「出場する予定」としている。
<広陵の暴力事案を巡る経過>
▼1月22日 寮で部員間で暴力を伴う不適切な行動が発生。同校は「上級生4人が1年生1人を個別にたたく、胸ぐらをつかむなどした」といった内容を報告
▼3月5日 報告を受けた日本高野連は審議委員会を開き、野球部には「厳重注意」処分、当該部員には「1カ月間の公式戦出場禁止」が下された。被害生徒は3月末で転校した
▼大会直前 被害を受けた生徒の保護者とされるSNSの投稿が注目される。ひどい暴力を受け、指導者や学校の対応も不十分で転校に至ったという内容
▼8月5日 甲子園大会本部は同校が既に厳重注意されたことを公表
▼同6日 同校が謝罪文を出し、大会本部は「全国高校野球選手権大会出場の判断に変更はない」と発表
▼同7日 旭川志峯との1回戦に3-1で勝利
▼同8日 同校がHPで現状報告を行い、別の被害を訴える生徒の保護者からの要望に応じて6月に第三者委員会を設置して「調査中」と発表
▼同10日 同校が大会辞退
▼同17日まで 同校HPで、SNS上での根拠を欠く同校関係者に対する名誉毀損(きそん)などについて「決して容認できず、法的措置を含めて対処いたします」と声明を発表
▼同19日 広島県高野連が公式サイトで選手やスタッフ、大会関係者への誹謗(ひぼう)中傷や差別的な言動に対して、「法的措置を含めて毅然(きぜん)とした対応をとってまいります」と警告
◆中井哲之(なかい・てつゆき)1962年(昭37)7月6日、広島・廿日市市生まれ。広陵時代は3年時の80年に、1番遊撃手として春夏連続甲子園出場。春ベスト4、夏はベスト8。大商大に進学し、86年から広陵の商業科教諭に。4年間コーチを務め、90年4月に監督就任。春夏通算25度出場(春優勝2度、夏準優勝2度)。主な教え子に上本崇司(広島)小林誠司(巨人)有原航平(ソフトバンク)宗山塁(楽天)渡部聖弥(西武)らがいる。
◆松本健吾(まつもと・けんご)1990年(平2)10月12日生まれ。広陵時代は同学年に中田廉(元広島)上本崇司(広島)らがおり、08年夏は甲子園大会で背番号7をつけてプレーし2回戦で敗退した。卒業後は広島修道大をへて、広陵の副部長に就任。担当教科は地歴公民。

