やはり女王は強かった。花巻東が新潟医療福祉大を2-1で退け、大会連覇を成し遂げた。先発の鯨井こころ投手(2年)が7回1失点完投。初回に先制点を許すも、その後は無失点。同日に行われた準決勝でも、延長6回タイブレーク無死満塁の場面で救援登板し、無失点で抑えるなど、大会を通してエースの貫禄を見せた。
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鯨井はマウンドへ駆け寄るナインを満面の笑みで迎えた。連覇を達成し「すごくうれしかったです」。この日の気温は8度。時折、雨も落ちた。冷え込みと緊張から、初回2死から3連打で先制点を献上。なおも満塁だったが、1失点にとどめた。「最少失点で切り抜けたことを自信にしました」と2回以降は立て直し、スコアボードに「0」を並べた。
準決勝では5-5の延長6回タイブレーク、無死満塁のピンチで出番がきた。「気持ちが弱い」。いつも指導陣に指摘される言葉をふと思い出した。「相手に押されて、自分のボールを投げられずに打たれている」と鯨井。負ける時はいつもそうだった。「とにかく自信を持つ。やるしかないと思って投げました」。2者連続三振を取り、最後は左飛。気持ちでも、ボールでも負けなかった。
新エースの誕生だ。今大会で初めて背番号「1」を託された。「緊張もありましたけど、自信のない姿をみせてはチームも奮い立たないので、自分だけでも燃えようと思いました」と気合は十分だった。結果でも示し「プレッシャーの中で結果を残せるようになった」と成長も実感した。
目指すは男子硬式野球部との「甲子園アベック出場」。女子硬式野球選手権大会は例年、決勝のみ甲子園球場で行われる。「まだまだ通過点」と話すが、大きな1歩だ。この冬は「緩急を使えるように」とカーブ習得に挑戦するつもりだ。背番号「1」がさらに似合うエースに、必ずなってみせる。【木村有優】
▽花巻東・沼田尚志監督(66)「選手たちには『連覇いくぞ』と言っていました。準決勝では4点差をよくひっくり返してくれました。沈むことなく、総力戦で頑張ってくれたと思います」

