大勝発進にも、どこか浮かない。帝京・金田優哉監督(40)は、6回コールド勝ちに「夏に勝ちたいので、まだまだといったところですかね。課題は多いです」と、センバツ後初の公式戦を危機感を持って振り返った。

2回表に3本の二塁打が出て3点を先制するが、その裏に先発・関健志朗投手(3年)が死球と2本の長短打が絡み2点を与えた。1点リードの2回2死一塁にはセンター方向に二塁打を打たれ、あわや同点だった。味方の好守備に助けられホーム生還は許さず2点で耐えると、打線は3回に3点、4回に1点、5回と6回に3点ずつ加える5イニング連続得点。関も3回以降は立ち直り5回2失点。6回は渕凛人投手(3年)が無失点に抑え、10点差以上がつきコールド成立した。

序盤こそヒヤリとさせたが、終わってみれば15安打13得点。伝統の強打を発揮しての快勝に映るが、夏を見据えているからこそ指揮官は苦言を続けた。

金田監督 ピッチャーがもう少ししっかり投げないと。これが1年生のデビュー戦とかだったら「まあ、よくやった」でいいんでしょうけども、3年生ですからね。彼には厳しく言いましたけど、これはピッチングになっていない。要求するところはやはり「甲子園基準」なので。

センバツでは11年夏以来となる15年ぶりに甲子園の舞台に立った。

開幕戦で昨夏優勝の沖縄尚学に逆転勝ちを収めたが、続く2回戦では中京大中京(愛知)に延長10回タイブレークの末に敗戦。「帝京は出るだけで終わりじゃない」と日本一を掲げたが、久々の甲子園は道半ばで終わった。

たしかに2試合を通してOBやファンに喜んでもらえることは一定数できたかもしれないが、戦い終えて出てきた金田監督の感情は「もっとできたんじゃないか」という自分たちへの不満やいら立ちだった。

センバツ決勝戦でトップとの差を痛感した。優勝校の大阪桐蔭と準優勝校の智弁学園(奈良)どちらも大会屈指の好投手が躍進に大きく貢献しただけに、金田監督は「(帝京と比べて)投手力は天と地ぐらい差がある」と悲観的に捉えた。

金田監督 バッター陣も今のままでは、(大阪桐蔭の)川本君も、(智弁学園の)杉本君も打てない。そこはよく分かったけど、やっぱり打っていきたいし、打っていかなきゃいけない。関東第一、二松学舍、修徳さんを含めて、いいピッチャーがいますから。その基準でチームを作っていかないと、きついんじゃないかなと思って相当要求している。選手たたちは頑張って食らいつこうとしてやってくれているんで、諦めずにとにかくやろうという感じです。

今大会は勝ち上がれば関東大会まで続く。およそ3カ月後には東東京大会が開幕する。時間はいくらあっても足りないくらい。だからこそ、1戦、1戦が大事になる。結果ももちろんだが、いかに内容にも細部までこだわれるかだ。

「夏に東東京を勝つって本当に難しいことなので。何回も失敗していますから、そこを取りに行くというのをもう1回チームで再確認して、そのための春だと思っています。やっぱり、夏に勝ちたいですよ。夏に勝負がしたい」と揺るがない決意を見せた。