高校野球で酷暑や投手への負担対策などを考慮した「7イニング制」の導入に関する議論が注目を集めている。日刊スポーツは3月の第98回選抜高校野球大会(甲子園)に出場した全32校の監督にQ1~3のアンケートを実施。それをふまえて自由意見を聞いた。花咲徳栄・岩井隆監督は「現場の声を、とは良く耳にするが、逆に言えば我々も野球人じゃない感覚を持たなければダメな時代にきている」と答えた。その他、以下のような意見が出た。
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【アンケート内容】
Q1 7イニング制の導入について、あなたの考えに最も近いものはどれですか
<1>賛成
<2>どちらかといえば賛成
<3>どちらとも言えない
<4>どちらかといえば反対
<5>反対
Q2 Q1のように考える主な理由を教えてください
<1>選手の負担軽減・健康面への配慮
<2>投手起用や戦術の変化
<3>試合の魅力・緊張感
<4>育成や経験値への影響
<5>野球の伝統・競技性
<6>大会運営・日程面
Q3 7イニング制が導入された場合、最も影響が大きいと感じる点はどれですか
<1>投手起用・継投判断
<2>試合序盤からの戦い方
<3>終盤(6~7回)の采配
<4>選手の体調管理
<5>試合運び全体
【7イニング制についての意見】
▽佐野日大・麦倉洋一監督 9イニングで行う上で、まだ何か対策がないのか。例えば3回ごとにもっと休憩時間をとるとか。それでダメなら7回を、と思います。
▽花咲徳栄・岩井隆監督 9回制で球数制限も入ると、複数投手をもっているチームは9イニングが強い。1枚エースのチームは勝てなくなる。ということは公立高校は難しくなるわけです。ではずっと私学が勝つのか。公平性をどこかで保たないといけない。7イニングにしてもDHを使えば、複数使える。そもそも不要不急の外出をさけて、と呼びかけている。文科省が2時間以上、外での部活をやってはダメという時点で甲子園でできなくなる。これまで、クーリングタイムを入れ、ケータリングも入れて、やらせてもらっていた。もうそれも限界にきていると思う。現場の声を、とは良く耳にするが、逆に言えば我々も野球人じゃない感覚を持たなければダメな時代にきている。
▽沖縄尚学・比嘉公也監督 どちらかといえば賛成です。初球から全力投球で出力が上がると言われていますが、9イニングでも同じだと思う。結局7回でも終盤のドラマは生まれるはず。それよりも9回にこだわるのなら、甲子園でコールド制を適用すればいい。まずはそれをやってみて、長いと思うなら、7回制を使ったらいい。
▽八戸学院光星・仲井宗基監督 甲子園だけで2部制を実施して9イニング制を続行し、選手の健康面に配慮するのは不可能である。クラウドファンディング等をつのり、甲子園のドーム化を希望する。
▽近江・小森博之監督 高校野球の伝統と、近年の酷暑等の環境変化のはざまで、非常に難しい判断を迫られていると感じます。7イニング制が試合運びや選手の出場機会に与える影響は大きく、まだ十分にその功罪を計り知れる立場にはありません。今後の実証データや議論の深まりを注視した上で、最善の形を模索すべきだと考えています。
▽北照・上林弘樹監督 まだDH制が導入されて、投手への影響を検証していないにもかかわらず、7イニング制の導入が急がれるのは理解に苦しむ。全校で取ったアンケートの結果も考慮されておらず、結論ありきで議論が進んでいるように感じる。
▽山梨学院・吉田洸二監督 最初は例えば投手力に不安があったら助かるし、強かったら9回制がいいという視点で見ていた。最近はどう戦うのかと本気で考えたら、選手の出場機会が減ると考えるようになった。
▽神村学園・小田大介監督 1人に頼りすぎてケガのリスクが上がること。野球は流れのあるスポーツなので、9回やるべきだと思います。
▽東北・我妻敏監督 現場の意見、生徒の意見も聞いていただき、判断していただきたい。

