千里青雲のプロ注目右腕、一針崇人(いちはり・しゅうと)投手(3年)が悔しさを糧に好投し、初戦突破に貢献した。甲子園出場歴もある大産大付相手に6-6の同点で迎えた6回から登板。スライダーで4つの空振り三振を奪うなど「気持ちで絶対抑える」と気迫を前面に出した。味方が7回に勝ち越した1点を守り、4回を2安打無失点にまとめた。
S07年に開校した府立校の投手ながら、この日はヤクルト、日本ハムのスカウトが視察に訪れるなどプロの視線も熱い。かつて指導していた公立の大塚(大阪)で楽天村林らを育てた室谷明夫監督(43)のもと、メキメキ力をつけている。「スライダーが生命線の子なんですけど、とにかくよく曲がっていた。よく投げた」と目を細める内容だった。
昨年夏は公式戦デビューで背番号1をつけた期待の星。チームを初めて夏の大阪16強に導いた。だが昨冬以降なかなか状態が上がらず。室谷監督とともにフォームの試行錯誤、下半身のトレーニング内容変更など二人三脚で取り組んだ。
そしてこの夏、もらった背番は「10」。一針は「もう野球が嫌になったというか、気持ちが下がっていた」。だが高校最後、折れるわけにはいかない。「なんとかしてやる」と自分を奮い立たせ、調子も徐々に取り戻して初戦を迎えた。
15日の2回戦は春の大阪王者、履正社とぶつかる。「相手を考えずに気持ちだけで」。苦しい時期を乗り越えた右腕が府立の星になる。【佐藤妙月】
◆一針崇人(いちはり・しゅうと) 2008年(平20)6月6日生まれ、大阪府豊中市出身。5歳から千里南丘少年野球部で内野手として野球を始め、豊中九中では千里山ボーイズと学校の準硬式野球部でプレーした。球種はストレート、ツーシーム、スライダー、カーブ、縦スライダー、チェンジアップ。178センチ、74キロ。右投げ右打ち。名字由来netによると、一針の名字は全国で約S50人と珍しい。

