<高校野球岩手大会:盛岡大付4-1盛岡中央>◇21日◇準々決勝

 プロ注目右腕の大向涼介(3年)擁する盛岡中央は、盛岡大付に敗れた。

 大向の最後の夏が終わった。最速143キロの直球、キレのある変化球を持つプロ注目右腕。9年連続4強を狙う盛岡大付に真っ正面から立ち向かったが、8回10安打4失点で力尽きた。それでも、投球以上に打撃の評価が高い3番打者は、完封負け寸前の9回表1死一塁から左越えに適時二塁打を放ち、意地を見せた。

 昨秋の県大会は全5試合に完投。防御率0・38で優勝に導いた。その準決勝でも盛岡大付と対戦し、9回に自身のサヨナラ2ランで勝っていたが「今日はリベンジを狙う相手の気持ちが上でした」と涙を見せた。

 180センチ、85キロの恵まれた体格でプロ10球団の視察を受けた。進路について「プロ志望届を出すつもりです」と宣言。「甲子園には行けなかったけど、プロになる夢は絶対にかなえて親に恩返ししたい」と次のステージを見据え、卒業まで練習を続ける。【木下淳】