<高校野球愛知大会:愛工大名電8-2中部大一>◇21日◇3回戦◇刈谷

 愛工大名電の浜田達郎投手(3年)は中部大一戦で7安打2失点完投、10奪三振。花巻東・大谷、大阪桐蔭・藤浪らと並ぶビッグスリーの一角の夏も幕を開けた。

 愛工大名電・浜田のラストサマーは、静かに幕を開けた。133球で7安打2失点完投。10奪三振も「力まずに(力を)セーブしてました。6~7割です」と余裕すら感じさせた。

 愛知の頂点までは連戦含む6試合を勝ち抜く必要がある。その先には甲子園も待つ。ペース配分が重要。さらに、この日は雨が降り足元もぬかるんでいた。倉野光生監督(53)は「雨の中、速いボールで抑えるより相手に振らせて、打たせていけ」と指示。直球は自己最速147キロに遠く及ばない138キロ止まり。派手さはなくとも勝てる投手であることを証明した。プロ側は5球団が視察に訪れ、中日水谷スカウトは「こういう状態を考えたピッチングでしょう」と柔軟性を評価した。

 浜田は「(球速も)まだ上げていきますし、上げられます」と自信をのぞかせるが「先は長いので、ゆっくり、しっかり体力を温存して投げていきます」。怪腕の夏はまだ始まったばかりだ。

 ◆浜田達郎(はまだ・たつろう)1994年(平6)8月4日、名古屋市生まれ。愛工大名電では1年秋からエース。昨年夏の愛知大会準優勝。同秋は愛知県、東海の両大会を1人で投げ、ともに優勝。続く神宮大会も準優勝。今春センバツ大会8強。最速147キロの直球と多彩な変化球が武器。183センチ、88キロ。左投げ左打ち。