<高校野球北北海道大会>◇6月30日◇1回戦◇北見地区予選

 美幌農の最後の夏、白星は遠かった。留辺蘂に打ち込まれ1-14の5回コールド負けを喫した。4回表、適時三塁打でチーム唯一の打点を挙げた関恭輔二塁手(3年)は「負けたのは悔しいけど、最後の打席、思い切り振りました」と振り返った。

 来年4月に美幌と合併する予定で秋季大会で野球部の32年の歴史を閉じる。夏は今大会が最後。柴崎智勝監督(32)は「練習通りの動きができなかった。動きが硬かった」と話した。5年前には部員3人までに減少。現在16人の部員も中学での野球経験者は6人しかいなかったが、慣れさせるため空手の防具をつけ、練習を続けた。

 昨年秋から部員は午前7時に登校。学校の掃除で精神面を鍛えた。将来のことも考え、トラクターと業務用の草刈り機でグラウンドを整備した。水木直仁主将(3年)は「このユニホームで10年ぶりの1勝をしたかった。でも、悔しいことより楽しい思い出しかない」。夏は終わったが、収穫も大きかった。