<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇4日◇兵庫県立芸術文化センター

 第92回全国高校野球選手権(7日開幕、甲子園球場)の組み合わせ抽選会が4日行われ、3回戦までの対戦が決まった。2年連続2度目の出場の常葉学園橘(静岡)は大会2日目(8日)第1試合(午前8時半)で北大津(滋賀)と対戦することが決まった。日にちも時間も昨年とまったく同じ。昨年から10人のメンバーが残る常葉橘にとって、昨年を“リハーサル”にできる日程となった。

 右利きの牛場友哉主将(3年)が左手で、一番端の札をつかんだ。抽選順は27番目。続々と埋まっていく中で「3日目以内でなんとか…」と祈りながら引き当てたのは、2日目の第1試合だった。「『昨年と同じだ!』と思いました。なるべく早い日にやりたかったので良かった。朝早いけど、昨年も経験しているので大丈夫です」と、胸を張った。

 経験をそのまま生かせる。2日間雨で順延した昨年。初戦は結局、当初の2日目第2試合から時間が繰り上がり、第1試合で戦った。その後2試合も、すべて第1試合。今年も3回戦まで、すべて朝イチになった。朝4時すぎに起きて朝食を採り、バスに乗って甲子園へ向かう-。未知だった昨年と違い、1度は経験した行程を、今年もたどることができる。その経験者は10人もいる。

 1年生の城戸健太朗内野手こそ「聞くと、だいぶ朝が早いのできついです」と苦笑いしたが、小岱太志内野手(3年)は「練習時間も今はずっと朝8時から。そのままの感覚で行けるのが良い」。エース長谷川彦(3年)も「朝だとそこまで暑くないだろうし、結構良いかも」と歓迎した。

 試合日が決まって3分後に、横には北大津が来た。6年ぶり2度目の出場の相手は、春の近畿大会で天理(奈良)を撃破。右横手の岡本は制球力に優れ、本来はエースで故障明けの右腕・横江は最速148キロを誇る。だが、昨年3回戦で153キロを記録した明豊(大分)の今宮(現ソフトバンク)と比較した小岱は「遅いです」と、きっぱり言った。昨夏の経験こそ、何よりの武器だ。【今村健人】