エンゼルス大谷翔平選手をメジャーデビュー当時から3年以上取材をしてきました。肉体も大きく変化し、進化を続け、迫力あるプレーには日々、驚かされます。そんな中でも唯一変わっていないのは、バッターボックス内での清らかな行動です。
打席に入るとほぼ毎回、バッターボックスの周辺に落ちているものを取り除きます。そんな事をするメジャー選手は私の知っている限り、他に見たことがありません。何が見えていて何を拾っているのか、気になったので撮ってみることにしました。
9月11日のヒューストンでのアストロズ戦。打席に入ってから見渡して、何かを拾いバッターボックスの外にやります。「何だろう? 」。画像を拡大してみると、土の固まり? 土が付着した小さなガム? フィールドレベルからだと何だか分かりません。
引き続き14日、シカゴでのホワイトソックス戦。この日は観客席の最後列の上から撮影しました。ここからならよく見えそうです。
いつも通り打席に入って周りを見渡し、何かを拾い上げてバッターボックスの外へ。緑色が見えた! 拡大してよく見てみると、まさしく緑色の小さな芝生のかけらです。
その翌日も初回を除く毎打席、掃除をしてから打席に入りました。
自分の周りの人や物を大切に、きれいに扱う。この行動に清らかさを感じてしまうのは私だけではないと思います。
神懸かった今年の記録もまた、日々の努力と徳の積み重ねからかもしれません。本当に野球の神様っている気がします。【菅敏】