今季のエンゼルス先発ローテは、大谷翔平投手(27)に開幕投手の期待が出ている他、FAの投手も加わり楽しみが多い。

ロックアウト前には前メッツの右腕ノア・シンダーガード(29)、前レッズで投手と外野手の二刀流右腕マイケル・ロレンゼン(30)が新加入。エンゼルスの専属解説者マーク・グビザ氏も地元メディアで「この2人の獲得は非常に良い。チームは正しい方向に向かっている」と期待に胸を膨らませていた。

同氏はインタビューで「シンダーガードは直近2年間でわずか2イニングしか登板していないとみんなは言う。だがショウヘイ・オオタニだって2年間(19~20年)に2イニングしか投げていないのに、その後に彼がやってのけたことを見てほしい。シンダーガードにも大きなポテンシャルがある」と指摘し、ロレンゼンについても「私は以前から彼の大ファン。これまで先発の機会をあまり与えられてこなかったが、100マイル(約161キロ)の剛速球が投げられる。彼らのようなパワーピッチャーで闘争心ある投手が必要だった」と歓迎した。さらに同氏は「先発投手があと1人か2人加われば、優勝争いできる」と太鼓判を押していた。

あと1人か2人、開幕までにFAかトレードで先発投手を獲得できるかどうか。米メディア「ジ・アスレチック」が先日、ロックアウトが明けたら獲得してほしい先発投手をエンゼルスファンにアンケートし集計結果を発表していたが、1番人気はホワイトソックスからFAとなった左腕カルロス・ロドン(29)、2番人気がドジャースからFAとなった左腕クレイトン・カーショー(33)だった。

スポーツ情報サイト「MLBTR」のFA契約予想によるとロドンは今オフのFAランキング18位で契約予想は1年2500万ドル(約27億5000万円)、同33位のカーショーは1年2000万ドル(約22億円)の契約予想となっていた。このクラスの投手を2人獲得するとなれば、今季はあと約4500万ドル(約49億5000万円)前後が必要というわけだ。

米野球データサイト「ファングラフス」によると、エンゼルスの現時点の今季総年俸は1億8539万167ドル(約204億)と試算されており、さらに4万5000ドルを加えるとぜいたく税ラインを超える可能性もある。ぜいたく税を回避して補強するとすれば、現在行われている労使交渉の結果に補強の行方が左右されることになりそうだ。

ぜいたく税の交渉は最新の情報では、選手会側が2億4500万ドルに引き上げるよう提案しているが、オーナー側は昨季の2億1000万ドルとほぼ変わらない額にとどめたい考えで、金額に大きな開きがある。さてどうなるか。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「書かなかった取材ノート」)