去就が注目された大谷翔平投手(29)がドジャースに移籍することが決まった。ドジャースといえば、デーブ・ロバーツ監督がまだ大谷の契約が決まっていないのに交渉過程をメディアに話し、騒動になった。代理人のネズ・バレロ氏から契約交渉の過程についてかん口令が敷かれているにもかかわらず、12月上旬に開催されたウインターミーティングでの会見の席で「ショウヘイと会ったよ」と明かし、周囲を驚かせたのだ。米国では、同監督の発言はMLBの規約違反になるのか否かという話題も出ていた。
12月6日付のロサンゼルス・タイムズ紙によると、契約交渉中のメディアへの情報開示についてはMLB労使協定の329から331ページにある付帯条項49条で規定されているという。そこで実際に規定を読んでみた。
1 コミッショナー事務所、選手会、球団、選手、代理人は契約内容、オファーを出したか、またそれを撤回したかなどを、正式契約前にメディアに明かしてはいけない。
2 契約していないFA選手の金額や契約年数について言及してはならない。
大まかにはこの2つの条項が中心になり、以下のような違反発言例が出ている。
「X選手は、複数年契約は得られないだろうね」
「X選手は、Y選手を超える金額を要求しているそうだね」
「我々はX選手から撤退したよ」
「X選手は少なくとも○○ドルの価値があるだろうね」
「X選手は複数の球団からオファーを受けているそうだ」
「我々は、X選手のためにドラフト指名権を失うことには気が進まない」
「X選手の体の状態に懸念がある」
「X選手に年俸○○ドルの価値はないと思う」
これらの違反発言例を見て思い出したのだが、大谷争奪戦が5球団に絞られた後、カブスが撤退したという報道が出た。USAトゥデー紙のボブ・ナイチンゲール記者が事情を知る球界関係者の話として伝えていた。だがカブスのジェド・ホイヤー編成本部長が地元記者から撤退は本当かと確認されたとき「そんな話がどこから出てきたのかわからない」と否定した。これは「撤退した」と言うと規定違反になるため、はぐらかしただけだったのかもしれない。ちなみにロバーツ監督は、違反になる発言はしていない。1つ勉強になった騒動だった。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「水次祥子のMLBなう」)




