ボストン、ニューヨークと続いた米国東海岸での7連戦が終わった。過去を振り返っても、エンゼルス大谷翔平投手(28)に対する地元メディアの注目度は最も高かったと感じられた。

それもそのはず、今オフに大谷はフリーエージェント(FA)となる。レッドソックス、ヤンキースが拠点とする球場や都市は好きか、そんな話題が尽きなかった。

19日(日本時間20日)、ヤンキース-エンゼルス3連戦の2戦目、ヤ軍OBの黒田博樹氏(48)が始球式を務めた。その後の日米メディアによる取材でも、大谷に関する質問が多かった。「もし、大谷がヤンキースに来たら?」。黒田氏は丁寧に対応した。

「ニューヨークはすごく盛り上がると思いますし、プレーしていた時は大変だったんですが、やっぱり終わってみて、ここで、ニューヨークでプレーしたっていうのがすごく自分にとってはいい思い出ですし、プレーヤーとしても、すごく大きくさせてもらった」

12年から3年間で38勝33敗、防御率3・44の成績を挙げた。初年度はポストシーズンでも活躍。酸いも甘いも味わった。常勝軍団の先発ローテーションを担う大変さとは。少しほほ笑みながら、明かした。

「マウンドがやっぱり怖かったですよ。いろんなマウンド踏ませてもらいましたけど、やっぱりニューヨークのマウンドっていうのは、ちょっと特別でした」 37歳からの3シーズン。経験豊富な大ベテランでも、怖さがあったという。その上で、こう続けた。

「一番記憶に残ってるのは、僕の最後の登板がジーターの最終戦で、最初2打席連続ホームランかなんか打たれて、大ブーイング食らったのを覚えてるので。その後しっかり投げられたんですけど、そういうちょっと苦しい思いっていうのはたくさんしてきた。1歩離れて、またここに来させてもらって(始球式でマウンドから)ああいう景色を見せてもらえるのは本当、ヤンキースに感謝したい」

厳しい環境の中で懸命にプレーし、結果を残した。だからこそ、球団にもファンにも温かく歓迎された。かつては大谷も1年目にニューヨークのファンから大ブーイングを浴び、メディアにも酷評された。今や、MLBの顔となった二刀流に、歓声と拍手が上がる。あくまで想像の話だが、仮にヤンキース移籍となれば、熱狂どころではないカオス状態となりそうだ。

黒田氏は自身の経験から確信する。「彼は僕らと全然違うレベルのことをやっているので、いろいろ大変なことはあるかも分からないですけど、素晴らしいチームには間違いない」。果たして、所属先はどこになるのか。ボストン、ニューヨークのざわつきが、FA大谷への注目度を如実に物語っていた。(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)

23年4月19日、ヤンキース対エンゼルス 始球式を務めた黒田博樹氏
23年4月19日、ヤンキース対エンゼルス 始球式を務めた黒田博樹氏
23年4月19日、ヤンキース対エンゼルス 試合前に始球式を行う黒田博樹氏(共同)
23年4月19日、ヤンキース対エンゼルス 試合前に始球式を行う黒田博樹氏(共同)
ヤンキース対エンゼルス リラックスした表情で投球練習をするエンゼルス大谷(撮影・菅敏)
ヤンキース対エンゼルス リラックスした表情で投球練習をするエンゼルス大谷(撮影・菅敏)
かぶとをかぶせてもらうエンゼルス大谷翔平(2023年4月9日撮影)
かぶとをかぶせてもらうエンゼルス大谷翔平(2023年4月9日撮影)
ヤンキース対エンゼルス 8回、チームの失点にベンチで口をとがらせる大谷(撮影・菅敏)
ヤンキース対エンゼルス 8回、チームの失点にベンチで口をとがらせる大谷(撮影・菅敏)