6月12日から3日間にわたって行われたメジャーのドラフトで指名された選手が、各球団と相次いで正式契約を交わしています。マーリンズでは6月23日(日本時間24日)、上位指名3選手が本拠地マーリンズパークでサイン。試合前に練習見学、記者会見などを行いました。

 中でも注目を集めたのが、2巡目(全体51位)で指名されたジョー(ジョセフ)・デュナンド内野手(ノースカロライナ州立大)です。ヤンキースなどで活躍し、通算696本塁打を放ったアレックス・ロドリゲス氏のおい(兄ジョーの息子)で、強打の遊撃手または三塁手として期待されています。

 マイアミで生まれ育ったデュナンドの憧れは、もちろん叔父のロドリゲス氏。これまでも、野球のことで相談があれば、すぐに電話や携帯メールで連絡を入れ、アドバイスをもらってきたといいます。ロドリゲス氏といえば強打のイメージがありますが、おいに対しては、常に「ディフェンスをしっかりやれば、フィールドにいられる」と、守備の重要性を繰り返し言い続けてきたそうです。確かに、メジャーには「DH専門」の選手もいますが、それはごく一部。メジャーを目指すうえでも、守備力を向上させるのが近道、という意見は、長年、第一線でプレーし続けた経験に基づくもので、大学入学後のデュナンドは守備練習に多くの時間を割いたそうです。

 その一方で、同じ右投げ右打ちの内野手ということもあり、「Aロッドのおい」としてのプレッシャーも背負ってきたといいます。プロ入り後は、さらに周囲から比較されることになります。そんなデュナンドの晴れ姿を祝うために、入団会見には、両親や親族のほか、ロドリゲス氏も駆け付け、最前列で見守りました。「これこそアメリカン・ドリーム。マイアミで生まれ育って、大学に進学して、地元球団にドラフトで指名されるなんて。マーリンズは、ドラフトで指名した若い選手を育て、ここまで引き上げてきたチーム。ジョー(デュナンド)にとっていい契約だ」。かわいいおいの門出に、終始笑顔を浮かべていました。

 正式契約を交わしたデュナンドは、早速、1Aからスタート。メジャーへの道は険しいものですが、数年後、地元マイアミでデビューする姿を楽しみにしたいものです。