気温40度。

 焼け付くような日差しが容赦なく照りつける米アリゾナ州メサで、日本からやってきた野球少年達が、白球を追いかけていました。「横浜保土ケ谷ボーイズ」と「横浜中ボーイズ」に所属する中学3年生7人が、夏休みを利用して「日米青少年ベースボール・キャンプ」に参加。昨年、ワールドシリーズを制したシカゴ・カブスのキャンプ施設で、汗まみれになって練習を行っています。

 カブスの施設といえば、2014年にオープンしたばかりで、メジャー30球団の中でもトップクラスの環境と言われています。もちろん、グラウンドは天然芝で、日本よりもはるかにマウンドは固く、ボールも滑ります。それでも、少年達はそんな環境の違いをしっかりと受け止め、1日4時間の練習メニューをみっちりとこなしていました。

 練習後は、観光やショッピングのほか、同地で行われているルーキー・リーグの練習見学にも足を伸ばしました。さらに、大リーグ公式戦「ダイヤモンドバックス-ジャイアンツ」が行われるチェース・フィールドを訪れ、試合前にはメジャーリーガーの練習見学、試合観戦の日程も組まれています。

 今回の「ベースボール・キャンプ」を企画した「侍athlete株式会社」の取締役・池浪智也氏は、「子供達には、日本とは違う、米国の環境も知ってほしい。多感な時期だからこそ、いろいろなことを感じてほしい」と、野球を通した少年達の成長に期待を寄せています。

 今夏、創設3年目にして「横浜市長旗杯」を制し、関東大会に進出した「横浜保土ケ谷ボーイズ」の選手の中には、神奈川県内だけでなく、県外の強豪校に進学する選手もいます。その彼らは、早くも「将来はメジャーリーガーになりたい」「もっと英語を勉強したい」と、前向きな目標を口にするようになりました。わずか10日間あまりの期間ですが、米国で触れた野球、文化、生活の違いに、何を感じ取ったのでしょうか。

 真っ黒に日焼けした野球少年達が、さらにたくましく、人間的にも大きく飛躍していくことを願うばかりです。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)