2020年を迎え、メジャーのキャンプインまではや1カ月あまりとなりました。昨季終了後、各球団はさまざまな形で補強を進めていますが、今季はどのチームが世界一の頂点にたどり着くのでしょうか。

米国では毎年、カジノのオッズやパワーランキングなどが発表されますが、開幕前に順位を予想するのは至難の業です。ちなみに、昨季開幕前の予想オッズでは、アストロズとレッドソックスが1位タイ。ワールドシリーズを制したナショナルズは9位でした。

もっとも、判断材料がまったくないというわけでもありません。

というのも、1998年から3年連続世界一に輝いたヤンキース以来、連覇したチームは出ていません。完全ウェーバーのドラフト制度の効果もあり、毎年、各球団が均等に有望なアマチュア選手を獲得。中長期的な育成プランを進めれば、近年のアストロズのように生え抜きの主力選手が育ち、弱小球団から屈指の強豪へ変貌するケースもあります。このパターンに該当するのは、ブレーブス、ツインズあたりでしょうか。

盟主ヤンキースにしても、2009年以来、世界一から遠ざかっていますが、過去数年は世代交代が進み、主軸はほぼ固定。さらに今オフは大物先発右腕ゲリット・コールを獲得するなど、育成と補強が絶好のタイミングで合致したと言えます。今季は、おそらく最有力候補に挙げられる可能性が高そうです。このほか、地区7連覇中のドジャース、勝負強いカージナルスあたりが中心でしょうか。総合力の高いアストロズは、サイン盗み疑惑の影響をどこまで克服できるかが、カギを握りそうです。

一部の評論家には、選手総年俸の上位10球団以内を判断基準に挙げる人もいますが、2015年のロイヤルズのように地方球団が大躍進するパターンもあるだけに、これまた絶対条件ではないようです。

いずれにしても、予想はあくまでも独断で、おそらく当たらないと思われます。本音を言えば、アッと驚くような伏兵チームが、ペナント争いを盛り上げてくれることを、ひそかに願うばかりです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)