新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響で、メジャーの公式戦が延期となり、今後の見通しはまったく立っていません。現時点で5月中の開幕は絶望的で、拡大が終息したとしても、6月下旬、または7月までずれ込むと予想されています。大リーグ機構や選手会は、さまざまなケースを想定してシミュレーションをしているようですが、もし7月に開幕するとすれば、何試合ほど実施できるのでしょうか。

一部には、米国の独立記念日でもある7月4日を、再出発の象徴的な1日として開幕日に挙げる声もあります。となると、10月31日まで計130日間。1週間に1日はダブルヘッダーを消化するとすれば、数字上では最大120試合行うことが可能かもしれません。

実際に、対戦数を想定してみると…。

<1>同地区 ホーム、ビジターの各3連戦を2回ずつ=12試合×4チーム=計48試合

<2>同リーグの他地区 ホーム、ビジター3連戦を1回ずつ=6試合×10チーム=計60試合

<3>交流戦 3連戦を4回、または2連戦を6回=計12試合

<1>+<2>+<3>=120試合


もっとも、実際に130日間で120試合を消化するとなれば、かなり過酷なスケジュールとなります。広大な米国では東西間の移動で6~7時間を要するため、移動日は欠かせません。これまではテレビ中継の関係などで、深夜移動=早朝到着も珍しくありませんでした。今季の場合、移動日を必ずデーゲームにしたうえで、場合によっては午前中の試合開始も検討されるかもしれません。各リーグが15球団ずつのため、必ず交流戦が必要でもあり、移動の負担を少しでも軽減するため、近隣球団など同地区限定にする可能性もありそうです。

ただ、現実的には100試合の実施を見込んでいるものと見られています。その場合、<2>を「ホーム、ビジターの各2連戦」にすれば、「4試合×10チーム=計40試合」となり、ちょうど100試合を組むことが可能です。

いずれにしても、ドジャースタジアムで予定される7月14日のオールスターは中止となり、ポストシーズンは11月末、または12月上旬までずれ込むことになりそうです。寒冷地を本拠地に持つチームがワールドシリーズに勝ち進んだ場合、開催が困難と予想されるため、出場チームにかかわらず、温暖なフロリダ、アリゾナ、カリフォルニアなど、中立地での開催も検討されています。

もっとも、これらはあくまでも楽観的な想定に過ぎません。ただ、最悪の事態…は、あまりイメージしたくもありません。

今は、この希望的観測が現実に近づくことを願うばかりです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)