開幕が延期となり、全球団が活動を休止しているMLBが、さまざまな対応策を検討しています。全30球団がアリゾナに集まり、無観客で公式戦を開催する「アリゾナ・プラン」に続き、新たに「フロリダ・アリゾナ分散プラン」も浮上してきました。

この分散プランは、各球団がフロリダ、アリゾナのキャンプ地で公式戦を行うというものです。その場合、現行のア・リーグ、ナ・リーグではなく、オープン戦と同じようにグレープフルーツ・リーグ(フロリダ)、カクタス・リーグ(アリゾナ)に再編。すでに、キャンプ施設の立地条件をベースに、地区分けも想定されています。

◆フロリダ

【ノース(北部)】ヤンキース、フィリーズ、ブルージェイズ、タイガース、パイレーツ

【サウス(南部)】レッドソックス、ツインズ、ブレーブス、レイズ、オリオールズ

【イースト(東部)】

ナショナルズ、アストロズ、メッツ、カージナルス、マーリンズ

◆アリゾナ

【ノースイースト(北東部)】カブス、ジャイアンツ、ダイヤモンドバックス、ロッキーズ、アスレチックス

【ウエスト(西部)】ドジャース、ホワイトソックス、レッズ、インディアンス、エンゼルス

【ノースウエスト(北西部)】ブルワーズ、パドレス、マリナーズ、レンジャーズ、ロイヤルズ

現段階では、具体的な日程を煮詰めることは不可能でしょうが、危機的状況のニューヨークをはじめ、全米の感染拡大状況からすると、少しは現実的かもしれません。選手にすれば、キャンプ地はなじみのある土地ですし、移動の負担やリスクも軽減されます。

その一方で、定期的に検査を義務づけられ、行動範囲は球場と宿舎の往復だけで、外出も制限される見込みです。家族と過ごすことが可能かどうかは不明ですが、長期間離れ離れになるかもしれません。

今回のアイデアに関連して、エンゼルスの主砲マイク・トラウトが、テレビ番組にネット中継で出演。「できるだけ早く戻りたい」としながらも、「ちょっとクレイジーだと思う」と戸惑っている様子でした。

いずれのプランも、まだクリアすべき問題点が多いだけに、依然として素案の段階です。ただ、これらのプランが話し合われていることからも、全米各地での通常開催が困難になっていることは間違いなさそうです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)