メジャーのプレーオフも中盤に入り、各地で緊迫した好ゲームが繰り広げられています。今回はいわゆる「下克上」が多く、公式戦で最多の104勝を挙げたブレーブスをはじめ、101勝のオリオールズ、100勝のドジャースと、100勝以上の3球団が、すべて地区シリーズ(5回戦制)で姿を消しました。敗因は各球団それぞれでしょうが、米球界内では日程上の問題を指摘する声がチラホラ聞こえています。

というのも、昨季からプレーオフの出場枠が各リーグ6球団となり、開催方法が変わったことで調整に影響したのではないかというのです。各リーグで第3シード以下の4チームが出場するワイルドカードシリーズ(3回戦制)は、公式戦最終戦の2日後の3日にスタートしました。その間、第1、第2シードの上位チームは試合がなく、7日の地区シリーズ初戦まで本拠地で調整しました。

公式戦162試合の長丁場を終えた後、地元で5日間の休みとなるわけで、先発ローテーションは余裕を持って組み直せますし、心身ともにリフレッシュできるわけですから、本来であれば大きなアドバンテージになるはずです。各球団とも、実戦感覚を維持するために試合形式の練習を繰り返すなど、しっかりと準備したはずでした。

それでも、ワイルドカードシリーズの熱戦を勝ち上がってきた下位シードの勢いは、食い止められませんでした。ブレーブス、オリオールズの場合、看板打線が本来の力を発揮できず、ドジャースは先発投手が総崩れと、3チームの合計成績は1勝9敗。確かに、単なる偶然ではなく、日程上の「ブランク」に原因を求めるのも、ある程度は仕方ないのかもしれません。

メジャーでは、「強いチームがペナントを制し、熱いチームがポストシーズンを制す」と言われます。下位シードの過密日程と移動も負担ですが、緊迫した長い戦いのさなかに、ひと息付くような「空白の時間」があると、無意識のうちに緊張の糸が緩んでしまう可能性はありそうです。

昨季もナ・リーグ第1シードのドジャース、第2シードのブレーブスは、ともに地区シリーズで敗退しました。現在の開催方法は今年で2年目でもあり、サンプル数としては少ないのですが、早くも「改正案」を提唱する声も出始めています。そんな意見に対し、コミッショナーのロブ・マンフレッド氏は「もう少し年月を重ねる必要がある」とひとまず慎重な姿勢を見せています。実際、昨年のア・リーグでは第1シードのアストロズと第2シードのヤンキースが勝ち上がり、最終的にはアストロズが世界一に輝きました。今回も第2シードのアストロズは勝ち残っており、コミッショナーの見解も当然かもしれません。

短期決戦で「下克上」があるのは、洋の東西を問いません。ポストシーズン初の2試合連続2本塁打を放ったカステラノス(フィリーズ)が言う通り、いずれにしても「公式戦とポストシーズンは別もの」というのは間違いなさそうです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)