日刊スポーツ・MLB専属カメラマンの菅敏(すが・さとし)カメラマンが、シーズン後半もドジャース大谷翔平を密着取材。彼の「魅せる」特別な瞬間や表情を、選りすぐりの写真とともにその舞台裏を語ります。
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10月27日、ロサンゼルスでのワールドシリーズ第3戦。
12回の守りを終えベンチで試合を見守る山本由伸選手と佐々木朗希選手の間に、突然大谷翔平選手が入ると肩に腕を回し、何やら声をかけます。これまでにない、スリーショットに驚き、シャッターを切りました。
ここまで大谷選手は2本の本塁打、2本の二塁打を記録。佐々木選手は8回1死一、二塁のピンチの場面で登板し、打者2人を三ゴロ、投ゴロに打ち取り、9回も無死に抑えました。両選手とも素晴らしい活躍です。延長戦が続き、リリーフピッチャーの尽きたドジャース。18回に入ると、山本選手がブルペンで投球練習を始めました。後のインタビューで本人が志願したと明かしています。チームのために再びマウンドに立とうとするその姿勢に、ベンチの空気が一気に引き締まりました。こんな事態に私はバタバタし始めます。まずはネット裏付近に走って待機し、ドジャースの攻撃が変わった瞬間に別の場所へダッシュします。17時過ぎに始まった試合で、この時点で時刻はすでに23時を回っていました。
勝負が決まったのは18回裏。無死、フレディ・フリーマンの劇的なサヨナラ本塁打で、試合に終止符が打たれます。ベンチ前で大谷選手は豪快なジャンプ、佐々木選手も指を突き上げて喜びを爆発させます。クレイトン・カーショーと喜び、歓喜の輪でフリーマンを迎えた大谷選手。佐々木選手を見つけて抱き合うと、2人がダッシュで向かった先はブルペンの方向。必死で準備をしていた山本選手も2人に向かって駆け出します。3人は抱き合い、肩を組んで跳びはね、思いっきり喜びます。ファインダーに映る映画のようなこの光景、シャッターを必死で切り続けました。
12回に大谷選手が2人に肩を回し、話した言葉は何だったのだろう。きっと闘志みなぎる一言だったに違いないと想像できます。この3人の物語は野球史に残り、語り継がれるでしょう。こんなシーンに立ち会えて、本当に幸せです。これからも必死で走り回ってシャッターを切り、伝えていきたいです。【カメラマン・菅敏】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「カンビンのWEEKLY SHO!Time!!」)





