【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)13日(日本時間14日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)がジャイアンツ戦に先発し、7回4安打無失点で今季3勝目を挙げた。最速100・6マイル(約162キロ)のフォーシームとスイーパーを軸に、今季最多105球の力投で8三振を奪った。今季7戦全てクオリティー・スタート(投球回6イニング以上、自責点3以下)で、防御率0・82は両リーグトップ。打者では本調子とならない一方で、「無双・大谷」が安定感抜群の投球を続けている。
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前夜とはまた別人の大谷が、マウンド上で打者を見下ろした。立ち上がりの1回2死一、三塁、内角低めに狙い通りのスイーパーで空振り三振。ピンチを脱し、その後は圧倒した。浮き上がるようなフォーシームやツーシームの変化に似せた高速スプリットなど、球質を始め、ピッチングの組み立て、制球面も安定し、無双する投手大谷。15勝を挙げた22年と比較しても、過去最高の状態か-。自己評価は、少し違った。
「トータルで見たら今年はいい内容の年なのかなとは思いますけど、1試合1試合、感覚がちょっとずつ変わったりはするので。バッティングもそうですけど、いいものを継続するのは、それだけ難しい」
謙遜しながら、「継続」の重要性を強調した。打者では現状、そこに課題がある。前日、53打席ぶりに7号本塁打をマークしたが、本調子ではない。「単純に実力不足」とした上で、「いろいろ変えながら、自分がしっくりくる動作を探しながらやっている感じ。良かったからといって長く続くかどうかは分からない。良くなることよりも、継続することの方が難しい場面は多い」と吐露した。
もどかしさはある。その一方で、打者でありながら投手で貢献できるのは大谷しかいない。「どちらも絶好調に越したことはないですけど、逆を言えばどっちかで勝利に貢献できるポイントがあると、切り替えの1つにはなると思う。打撃が悪くても、しっかりとマウンドの方で貢献したいという気持ちで毎回やっています」。挽回(ばんかい)する-。そのエネルギーが、圧倒的なパフォーマンスにもつながっている。
3登板連続で投手専念となり、二刀流への危惧を指摘する声もある。今年7月で32歳を迎える。身体的な負担は増しているかとの問いには「今が一番いいと思っています。まだまだ若いと思っているので、頑張りたい」とニヤリ、表情を緩めた。防御率0・82は両リーグトップ。「投げ心地は今のところいい。まだ、そこ(防御率)を気にする段階ではないのかなと思います」と気を引き締めた。登板ごとに、期待が膨らむ日本人初のサイ・ヤング賞。成熟味を帯びた姿に、早くもその予感が漂っている。
▼ドジャース大谷が7回無失点。本塁打を打った翌日に投手で先発し、無失点投球したのは、昨年の7月11、12日以来6度目。オプタスタッツによると、他に1度でも達成したのは、1909年8月16、17日のウォルター・ジョンソンだけ。ベーブ・ルースは本塁打を打った翌日に8度先発したが、無失点投球はなかった。
▼大谷は今季7試合目の先発を終えて、防御率が両リーグ1位の0・82。防御率が公式記録となった1912年以降、球団では1981年バレンズエラの0・29に次ぐ好成績。
▼大谷は今季50奪三振に到達。開幕7試合で防御率0・85以下で50奪三振以上の投手は、MLBのラングス記者によると、21年デグロム(メッツ)以来、1912年以降でメジャー6人目。
▼大谷が3回2死一塁でボークを犯した。21年6月11日のダイヤモンドバックス戦以来5年ぶり3つ目。一塁に走者がいるのにノーワインドアップで投げようとし、途中でモーションを解いて二塁に送球しようとした。日本時代にボークは5年間で1度だけ。



