ナ・リーグも今季からDH制導入が内定するなど、ロックダウンで難航する労使交渉も前進の兆しが見えてきました。「2022年大リーグの見どころ」第2回は、エンゼルス大谷翔平投手(27)が所属するア・リーグ西地区の新勢力図を紹介します。昨季4位のエンゼルス以上に、ライバル球団の動きが活発です。

大幅な戦力アップに成功したのが、2年連続最下位から巻き返しを図るレンジャーズです。首都ワシントンDCからテキサス州アーリントンに本拠地移転50周年の節目に、破格の補強資金を投じています。コーリー・シーガー遊撃手(27=ドジャースFA)と10年3億2500万ドル(約357億円)で契約。さらに、昨季ア・リーグMVP得票3位のマーカス・セミエン二塁手(31=ブルージェイズFA)とも7年1億7500万ドル(約193億円)で契約。「5億ドルの二遊間コンビ」が誕生しました。

2位マリナーズも鼻息が荒いです。昨年ア・リーグのサイ・ヤング賞に選出された左腕ロビー・レイ投手(30=ブルージェイズFA)と5年1億1500万ドル(約126億5000万円)でサイン。さらに、広島からポスティングシステムで大リーグ移籍を目指す鈴木誠也外野手(27)獲得の有力候補にも挙がります。最後のプレーオフ進出は、イチロー外野手がまだメジャー1年目だった2001年。昨年は20年ぶりの進出へあと1歩だっただけに、壁を破ろうと必死です。

そして、エンゼルスです。なにはともあれ、マイク・トラウト外野手(30)の復活は、昨季4位からの低迷打破とともに、8年ぶりプレーオフ進出への最低条件です。昨年は36試合の出場のみで、右ふくらはぎの故障により5月18日以降は全休でした。リーグMVPを3度受賞し、現役最高選手といわれるチームの顔が本来のパフォーマンスでプレーできれば、大谷との相乗効果で一気に好転するでしょう。

昨季3位のアスレチックスはスター選手こそ不在でも、敏腕GMとして「マネーボール」で有名になったビリー・ビーン上級副社長が健在。ア軍一筋26年、選手を見極める眼力はなお鋭く、チーム作りのうまさに定評があります。

最後はアストロズ。最近5年で4度の地区優勝、うち昨年を含め3度ワールドシリーズに出場した「王者」もうかうかできないほど、ライバル球団の包囲網が強まっています。一番楽しみな戦国地区となりそうです。(大リーグ研究家・福島良一)