MLBは現地21日、ブレーブスとその元GM、国際スカウト部長に厳しい処分を下したことを発表した。これは外国人選手との契約に関し、MLBが定めた規則に違反したもの。

 永久資格停止という最も重い処分が下されたのは元GMのジョン・コッポレラ氏。コッポレラ氏は2015年10月にブレーブスGM職についたが、その直後から外国人選手との契約金に対して設けられている制限を回避するため、獲得した5人の選手に対し制限内で契約したように見せかけ、別の形で契約ボーナスを支払っていた。

 もしこうした契約ボーナスを本来の形で計上していれば、制限を5%上回り、2019年6月まで海外のアマチュア選手との契約ボーナスは30万ドル以下に制限されていたということである。しかしブレーブスはこれを回避したことでベネズエラ出身のケビン・マイタン内野手との425万ドルなど9人の選手と通常の条件で契約していた。

 さらに16歳以下の海外選手との契約が禁じられているが、まだ14歳であるドミニカ共和国のロバート・プーソン遊撃手と制限が解除される年齢に達したとき、ブレーブスと契約することを口約束で交わしていたともされている。

 こうした問題が発覚した直後からMLBは調査チームを作り、問題を精査していた。またコッポレラ氏は10月2日に辞任している。

 処分はコッポレラ氏だけでなく、国際スカウト部長を務めていたゴードン・ブレイクリー氏が1年間の謹慎処分となった。さらに不正な契約と認定された13人の選手はブレーブスからの契約ボーナスを返還することなく12月5日から1月15日までFAとしていずれのチームとも契約交渉ができる。13人に支払われたボーナスの合計は1648万ドルに及び、ブレーブスにとっては損失となる見込みだ。

 ブレーブスへの処分はこれだけではない。来年6月に行われるドラフトでの3巡指名権が剥奪されたのに加え、19年からの1年間は海外選手と1万ドル以上の契約を結べない他、20年は契約ボーナスの上限が50%カットされる。実質21年まで有力海外選手との契約はできないことになる。

 さらにロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは「不正に関わった他のブレーブス国際部門の従業員も処分する」と発言しており、処分はさらに広がる可能性が高い。

 これに対しコッポレラ氏は声明を出していないが、ブレイクリー氏は「32年間奉仕してきたことを考えると、コミッショナーによる自分の謹慎処分に非常に失望している。そのため、コミッショナーの調査結果を精査し、前進するための全ての選択肢を検討している。この状況に対する自分の行動に責任を負うが、私は常に上司の指示によって行動してきた」と反発の姿勢を見せているということだ。

 この海外選手を巡る不正問題はまだくすぶり続けそうである。