現地3日のマリナーズ戦で29日ぶりに打者として実戦復帰したエンゼルスの大谷翔平投手。この日は3三振、4打数無安打に終わったが、翌4日のマリナーズ戦では4打数2安打2得点でエンゼルスの連敗脱出に貢献した。一夜での復調はやはり大谷は違うと感じた方も多いのではないだろうか。

 しかし、そんな大谷の復帰を遅すぎた、と評したのがスポーツ専門局ESPNのウェブサイトだ。既にプレーオフ進出の可能性は1・8パーセントにまで下がっているというのである。

 6月6日に大谷が最後に先発した時点でエンゼルスは35勝28敗で首位マリナーズに4ゲーム差、2位アストロズに3ゲーム差とプレーオフを十分に狙える位置につけていた。だが、大谷が負傷者リスト入りして以降チームメイトにも負傷者が続出したこともあり、低迷。大谷不在の間、エンゼルスは8勝14敗と負け越したのに対し、アストロズは17勝6敗、マリナーズは16勝8敗と好調を維持した。

 その結果4日時点でエンゼルスは44勝43敗でかろうじて勝ち越しているものの、首位アストロズからは12ゲーム差をつけられているうえ、アスレチックスにも抜かれア・リーグ西地区4位という状況である。ワイルドカード争いでも圏外の4位に留まっている。

 4日の試合で見るように大谷の打撃が好調であれば、チームの調子も上向きまだまだ、と思いたいところだが、それよりも深刻なのが投手陣である。打撃では復帰できたものの大谷が今シーズン中に投手として復帰できるかどうかは依然わからない状況が続く。さらに今シーズン、エンゼルスは12人の投手が先発したものの、大谷を除いても5人が負傷者リスト入りしているのだ。これでは安定して勝ち星を挙げていくのは難しいと言わざる終えない。

 この状況を打破するためにトレードで戦力補強をするのか、それとも今シーズンをあきらめ来シーズンに向けたチーム作りにとりかかるのか、その決断の時期は早ければ16日からのオールスター・ブレイク前後になるかもしれない。

 そんなチーム状況にあることを肝に銘じつつ、大谷が今後どんなプレーを見せるかを注目していくことになりそうである。