開幕から約2週間たち、MLBでは選手の好不調が見えるようになってきた。特に先発の軸として期待されていた投手が連敗すると早くも先行きを不安視する記事が各メディアに掲載されるまでになっている。

昨年まで6年連続で10勝以上してきたレッドソックスのクリス・セール投手も0勝3敗というスタートにスポーツ専門局ESPNは「レッドソックスはクリス・セールの0勝3敗スタートをどれぐらい心配すべきか」という記事をサイトに掲載。球速やスイング率などを挙げて調子を落としていることを示している。

一方、地元チームを去った過去の主軸投手の不調に対しダメ出しともとれる記事を掲載したのがニューヨークの地元紙ニューヨーク・ポストである。10日付けの「マット・ハービーは新たな災害のようだ」という記事だ。

ハービーは2012年メッツでメジャーデビューし、以降先発陣入りした。2015年には13勝を挙げている。ただその後は調子を落とし、練習を欠席したり、シーズン中の夜遊びが報じられるなど度々騒動を起こすなどして批判を浴びる存在となった。そして0勝2敗となった昨年5月、レッズへとトレードされたのである。ただ移籍後は幾分復調し7勝を挙げた。その後昨年12月にエンゼルスと1年1100万ドル、出来高300万ドルの契約を結び、再び先発ローテーションの一角としてロサンゼルスのファンの期待を集めていたのだ。

だが、ここまで3回先発したものの、0勝1敗。16失点はMLBワーストだ。7四球、防御率10.05という惨たんたる数字である。

特に記事では9日に行われたブルワーズ戦で1回に6点のリードをもらいながら、2回に3失点、4回に2失点、5回にも出塁を許したことを指摘。2四球、7被安打に「コントロールもなく」、「ハービーらしさもなかった」としたうえで、平均球速は94.1マイルながら「何もうまくいかなかった」と酷評している。

さらに「昨シーズンのレッズとのトレード前、メッツのファンはハービーに飽きていた。そして彼はエンゼルスのファンに自分自身を披露する良い仕事をできていない」としている。

ニューヨークのメディアはやはり厳しいと感じるが、同時にハービーはニューヨークのファンには今も存在感があるのだとも思わされた記事でもあった。

セールとハービーは今後復調でき、メディアを見返すことができるだろうか。

レッドソックスのクリス・セール投手(18年10月23日、撮影・菅敏)
レッドソックスのクリス・セール投手(18年10月23日、撮影・菅敏)