現地28日、シアトルのTモバイル・パークで行われたヤンキース対マリナーズ戦の1回表。ヤンキースの2番、アーロン・ジャッジ右翼手は、マリナーズの先発、菊池雄星投手が投じた時速148キロの速球を時速184キロではじき返した。打球は中堅へと伸びてスタンド入りし、本塁打となった。これはジャッジにとってメジャーでの100号本塁打だったのである。

出場371試合目での100号本塁打はMLB史上3番目の速さだ。ジャッジよりも速かったのは元フィリーズのライアン・ハワード一塁手の325試合と、ジャッジのチームメイトであるゲイリー・サンチェス捕手の355試合だけである。

100号達成についてジャッジは「スタートだと思う。かなりの成果だ。それについて謙虚で光栄に思っているけど、前進し続けなくてはいけない」と語っている。

さらにハワード、サンチェスとのトリオになったことについて「それは特別なグループだ。ライアン・ハワードは試合で特別なことをいくつもして見せた。我々はゲイリー・サンチェスができることを既に知っている」と他の2人を称えている。

またジャッジは1965年にMLBドラフトが開始されて以降、ヤンキースからドラフトで指名され入団した選手で100号本塁打を記録した7人目の選手にもなった。他にはガードナーやホルヘ・ポサダ元捕手、デレク・ジーター元遊撃手、ドン・マッティングリー元一塁手などがいる。

ただジャッジの存在感は本塁打だけで示されているわけではない。調子を上げていることがチームにとって非常に大きいのだ。27日までの8試合で5本塁打しているだけでなく、9試合の打率は3割5分1厘、出塁率と長打率とを足し合わせた値、OPSは1.141だった。その前の21試合では打率1割4分8厘、OPSは0.501と不調に苦しんでいたのである。さらに4月には内腹斜筋を傷め、54試合の欠場を強いられもした。

チームメイトのブレット・ガードナー外野手はジャッジについて「彼が調子に乗れば彼の最高の状態になる。フィールドで最高の選手だ。先週以来自分たちはそれを見てると思う」と評している。

さらにアーロン・ブーン監督も「皆彼に注目している。彼はとても強力な存在だ。彼は我々のチームの声の一つだ。彼が普段通りにやっているとき、彼は他のチームにとって本当に問題なんだ」とジャッジの存在の大きさを強調していた。

現在ア・リーグ東地区で首位を独走するヤンキースにとって、ジャッジの復調は10月に向けて大きな力となるだろう。