いよいよ来週に開幕が迫ったMLB2020年シーズン。コロナ禍にあって、今シーズンは60試合制になるなど様々な変更が行われる。プレールールにおいてもア・リーグだけでなく、ナ・リーグも指名打者制を導入するなどする。延長戦では長時間になることを避けるために無死二塁でイニングをスタートすることになった。この走者が生還しても投手の自責点にはならないし、採用されるのはレギュラーシーズンだけでポストシーズンは対象外となっている。

しかし少なくともヤンキースの投手陣にはこの延長特別ルールは不評なようだ。現地15日付で地元紙ニューヨーク・ポストの電子版が伝えている。

記事によれば14日に行われた紅白戦でヤンキースは何度か二塁に走者を置いた状況でのプレーを試したのだという。3回にはアダム・オッタビーノ投手がタイラー・ウェイド内野手が二塁にいる状態で登板した。このことについてオッタビーノは「あれは本当の野球じゃない。あなたはあれになれるかもしれないが、自分は自分が出したのじゃないランナーがそこにいるのは好きじゃない」と本音をもらしたのだとか。

これにはチームメイトのチャド・グリーン投手とジョーダン・モンゴメリー投手も同調している。グリーンは「自分はあれのファンじゃない。誰もランナー二塁で延長のピッチングに出て行きたくないからね。そこに登板するのが楽しみになるようなものじゃない。オットーが二塁を獲得するのは自分でやるべきと言っているのを聞いてそう思った。共感した。楽しいもんじゃない」と語ったということだ。

この日3回を投げ、6三振を奪ったモンゴメリーもこの特別ルールについて「恐ろしい」と一言コメントしている。ただモンゴメリーは先発なので、延長で登板する可能性はほとんどないのだが。

選手の感染も広がりを見せ、プレーしないことを宣言する選手も出ている中、こうした特別ルールがどのような影響を与えるかも今シーズンの注目点になりそうだ。