MLBは11月30日、マイナー5チームで高校生のドラフト有力候補を集める「MLBドラフト・リーグ」を新設すると発表した。MLBがマイナーリーグ(MiLB)を完全に傘下に収め、160チームから120チームに削減するなどMiLB改革の一環だ。

ドラフト・リーグはMLBと高校選手のプロモーションに特化したスカウト、イベントを展開するプレップ・ベースボール・レポートによって運営される。創設チームはヤンキース傘下の2Aトレントン・サンダーの他、1Aショートシーズンのマホーニングバレー・スクラッパーズ、ステートカレッジ・スパイクなど5チームだ。MLBによれば6チーム目と協議を進めており、数週間以内に発表する予定だという。

1チームは30人で構成され、合計180人のドラフト有力高校生選手を全米から集める予定だ。レギュラーシーズンは6月から8月にかけてで68試合を7月のMLBオールスターゲームとドラフトを挟んで実施するとしている。

これまでサザン大学の監督などを務め今回ドラフト・リーグの会長に就任したケリック・ジャクソン氏は「これは国内の最高のアマチュア選手がメジャーリーグの才能の次の波になるという同じ目標を持って互いに対戦する素晴らしい機会になると確信しています」としたうえで「メジャーリーグのスカウト部門が現在のドラフト対象選手の一部を1つの集中的な場で評価するための素晴らしい機会になります」とリーグ設立の意義を語っている。

またスクラッパーズが本拠を置くオハイオ州ヤングタウン・ウォーレン地域商工会議所はチームは地元地域に年間460万ドルの経済効果をもたらすだろうとコメントした。

MLBのMiLBを再編成する動きはこれだけでなく、9月にはアパラチア・リーグが「現在プレーしている地域社会の野球を守りながら、選手育成の近代化を図るMLBの幅広い取り組みの一環として、全米トップの大学1年生と2年生のための特別なカレッジ・ウッドバット・リーグ」に進化させると発表していた。さらに今回、ルーキーリーグ8チームで構成される「パイオニア・リーグ」を、来年からMLBと提携する独立リーグ「パートナー・リーグ」に変更にすることも明らかにされている。

また独立リーグの成功チームとして知られるセントポール・セインツがツインズの3Aに加入するなどチームの移動も活発になっている。