アメリカ・プロベースボールの世界に新たな女性進出が決まった。現地5日、レッドソックスが傘下のマイナーチームのコーチとして黒人女性のビアンカ・スミス氏を採用したと発表したのだ。アメリカのプロベースボールで初の女性コーチとなる。

スミス氏はダートマス大学に在籍中ソフトボール選手として活動するかたわらレンジャーズとレッズでインターンを経験。バッティングのスタンスや成績改善のためのバイオメカニクスと分析を担当したという。

2012年に卒業するとオハイオ州のケース・ウエスタン・リザーブ大学で野球運営部門の部長に5年間ついた後、2018年からはテキサス州ダラス大学でアシスタントコーチを務めていた。

スミス氏はレッドソックスでのキャリアをフロリダ州フォートマイヤーズにある育成施設で主に打撃を担当することで開始する予定だ。「レッドソックスには技術の最先端を行くさまざまなリソースがそろっており、それに触れられることにワクワクしている」とすると、「そうしたメトリクスを学び、現在持っている知識を深められるのがとてもうれしい」とコメントしている。

今回の採用についてスミス氏はツイッターで「これまで支えてくれたみなさんに本当に感謝します。もちろん、家族と友人、先駆者の力がなければ実現しませんでした。今から待ちきれません。本当にありがとう。ゴー・レッドソックス!」と投稿。さらにMLBネットワークのインタビューで「この機会は素晴らしいものです。私はまだ頭がクラクラしています。たぶん実際にそこに行くまでは落ち着くことができないでしょう」と興奮をあらわにしている。

一方でケース・ウエスタン大学のマット・イングランダー・ヘッドコーチは地元テレビ局に対し「彼女が得ているこうした機会は、彼女がその仕事をする準備ができているということを人々に知ってもらいたい。彼女はとても明るくて、素晴らしい仕事をするだろう。これは100パーセント彼女が成したものだ」と語り、スミス氏が実力で勝ち取ったことを強調していた。

MLBでは昨年11月、キム・アング氏がマーリンズのGMに就任し、北米のメジャースポーツでは初の女性GMとして話題となったばかりだ。またプロアメリカンフットボールNFLやプロバスケットボールNBAではすでに女性コーチが存在している。スミス氏自身「私もこのゲームに興味を持っている他の女性を鼓舞する素晴らしい機会だと思います」と語っている。今後ますます女性進出が加速することに期待したい。