既にア・リーグ東地区2連覇を達成し、シーズン勝利数でフランチャイズ記録の更新を目指しているレイズ。さらに史上初のワールドシリーズ制覇を目指すことになるが、そのプレーオフでレイズ・ファンは奇妙な広告を目にすることになりそうだ。現在の本拠地セントピータースバーグとカナダのモントリオールでホームゲームを分割開催する計画をアピールする看板だ。MLB公式サイトや放送局CBSの電子版などが報じている。

MLB公式サイトは「レイズのマット・シルバーマン社長は、チームが将来的にタンパベイ地域とモントリオールの間でシーズンを分ける姉妹都市計画について、近々『もっと目に見える形で、もっと声を上げる』ことを明らかにした」と伝えた。

ポストシーズン中にレイズは本拠地トロピカーナ・フィールドの外野フェンスの看板を使って、モントリオールとの分割開催計画を宣伝するのだという。レイズのファンはレイズがプレーオフで勝ち上がっていくことを願い、応援する中で、チームのホームゲームの半分かそれ以上が減る計画のPRを目の当たりにするということになるのだ。

レイズは長年入場者数の低迷に悩んできた。2012年以降でMLB最少だったことが5回あり、コロナ禍前の2019年も全30チーム中29位、今年も平均9513人で27位となっている。

その対策として、2019年にスチュアート・スタンバーグ・オーナーが打ち出したのが、モントリオールとの分割開催計画だ。シーズン序盤はセントピータースバーグで試合を行い、シーズン後半はモントリオールに移転するというものである。それぞれの都市で何試合行うかは明らかにされていない。モントリオールはかつて現在ナショナルズとなったエキスポズが本拠としていたがやはり人気低迷で移転、改称となった過去がある。それでも一定の人気は獲得できるだろうと考えているようでスタンバーグ・オーナーは計画推進に意欲を示し続けているのだ。

MLBは2019年にレイズがスケジュールの一部をモントリオールで開催することに許可は出している。ただレイズはトロピカーナ・フィールドのリース契約を2027年のシーズンまで結んでいるため、これまで実現できていないし、契約終了までに実現することはかなりの努力を要するのは確実だ。

それでも今回PRに乗り出すのは、計画への本気度を示すだけでなく、トロピカーナ・フィールドの改修に税金を投じてもらいたいという二重の目的があるのでは、というのがもっぱらな声である。いずれにしてもレイズ・ファンが看板を見て複雑な気持ちになるのは確かだろう。