現地7月26日、近代メジャーリーグで初めてアフリカ系アメリカ人選手となったジャッキー・ロビンソン氏を称えた「ジャッキー・ロビンソン博物館」の開館式が行われた。

ロビンソン氏は1947年4月15日、ブルックリン・ドジャースの選手として本拠地エベッツ・フィールドでメジャーデビューを果たした。49年には首位打者と盗塁王を獲得、MVPに選出されるなど活躍し、57年1月に引退。引退度はビジネスで成功した他、50、60年代の公民権運動にも貢献し、72年10月に53歳の若さで亡くなっている。

MLBは97年にロビンソン氏がMLBで人種の壁を破って50周年を記念し、全チームでロビンソン氏がつけていた背番号42を永久欠番とした。さらに2004年からは毎年4月15日を「ジャッキー・ロビンソン・デー」に制定し、選手とコーチ陣は42番を着けるようになった。

今年はロビンソン氏のデビューから75周年にあたり、ジャッキー・ロビンソン財団とレイチェル夫人の後援により10年以上の計画を経て博物館がオープンに至った。

ニューヨーク市マンハッタン南部に建つ博物館には4500点以上の展示物があり、中には46年に交わされた月給600ドルのマイナーリーグ契約書や47年の新人契約書なども含まれている。さらに約4万点の歴史的映像や450時間以上の動画も展示されるということだ。9月5日に一般公開の予定となっている。

セレモニーには100歳を迎えたレイチェル夫人、ニューヨーク市長、テニスのビリー・ジーン・キングさん、元ヤンキース投手のC・C・サバシア氏、映画監督のスパイク・リー氏らが出席した。

ジャッキー・ロビンソン財団は声明で、「この博物館は、あらゆる立場の人々が集い、互いの人間性と多様な経験を認め合い、交流することを目的としています。それは、困難な社会問題を解決するために協力し、1つの人生がいかに違いを生み出すことができるかを評価することによって、社会として進歩することができる方法を反映した議論や討論の場として機能するでしょう」としている。

また息子のデビッドさんは「歴史上のこの瞬間は、今、私たち全員にとっての挑戦です。1947年にジャッキー・ロビンソンが挑戦した問題は、今も私たちの中にあります」と語ったということだ。

時代の先駆者ロビンソン氏の偉業に触れられる場ができたことはうれしい限りだ。