現地23日、MLBは公式サイトでポストシーズン(PS)の分配金を発表した。ワールドシリーズを制したアストロズの選手には1人あたり51万6347ドルが支払われる。これはPS分配金としては史上最高額だ。

これまでの最高額は2017年のやはりアストロズで43万8901ドルだった。この年アストロズはサイン盗みを行っていたことでも知られる。

一方、分配金の原資となる選手プールも今回1億750万ドルに達した。これはブレーブスがアストロズに勝って昨年のワールドシリーズを制した当時史上最高額だった9047万ドルから19%増となっている。1億750万ドルのうち、3870万ドルが選手への分配金にあてられるということだ。

この増加は今回のPSから出場チームが12チームに増やされ、3試合制のワイルドカードシリーズが追加されたことが背景にある。MLBによればPSの入場料収入の、ワイルドカードゲームでは50%、ディビジョンシリーズの最初の3試合の60%、リーグ優勝決定シリーズの最初の4試合の60%、ワールドシリーズの最初の4試合の60%が選手プールとなったということである。

またアストロズの分配金はシーズンのいずれかの時期に出場した選手であれば、最終的にチームに所属しているかどうかにかかわらず支給される。つまり、8月にレイズにトレードされたホセ・シリ外野手やマイナーリーグから呼び寄せられたJ.J.マチエビッチ一塁手、デビッド・ヘンズレー内野手、ハンター・ブラウン投手などにも51万ドル余りが支給されるのである。

さらにPS出場チームの全選手にも分配金は支給される。ワールドシリーズで敗れたフィリーズの場合、1人あたり9万6255ドル。リーグ優勝決定シリーズで敗れたパドレスは、15万2709ドル、ヤンキースは14万5820ドルとなっている。PSの成績が下がるごとに減るようになっており、最少額はワイルドカードシリーズで敗退したレイズで8387ドルだった。

ワールドシリーズ制覇とワイルドカードシリーズ敗退でこれほど差が出るのである。さらにいえばワールドシリーズを制覇すれば、PSだけで日本のプロ野球の平均年俸を超える額を受け取れるということだ。やはり夢のある最高峰のリーグなのである。