2022年も押し詰まった現地12月30日、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手がさらなる栄誉を手にした。既にMVPだけでなく、9年総額3億6000万ドルの大型契約と第16代キャプテンを獲得していたジャッジだが、この日通信社APが主催する最優秀男性アスリート賞を受賞したのだ。
この賞は競技を限らずその年に最も活躍した男性アスリートを全米の報道機関から集まった40人のスポーツライターと編集者による投票で決めるものだ。これまで元ヤンキースの選手ではジョー・ディマジオ、ミッキー・マントル、1961年に61本塁打を記録したロジャー・マリスが選ばれている。MLB以外では陸上競技のジェシー・オーエンスやボクシングのムハマド・アリ、アイスホッケーのウェイン・グレツキー、バスケットボールのマイケル・ジョーダンなど歴史に残る面々が選ばれている。
今回の投票では、昨年の受賞者であるエンゼルスの大谷翔平投手が2位、バスケットボールのステファン・カリーが3位という結果だった。
受賞にジャッジは「すごいね、信じられないよ。他の受賞者は試合やスポーツに影響を与えただけでなく、スポーツ界やスポーツ界以外の地域や文化にも影響を与えた偉大なアスリートばかりだ。だから、そのリストの中に入るチャンスを得たことは、信じられないほどの名誉だ」と喜びを表現している。
60年続いたア・リーグの記録を破る62本の本塁打を放ったジャッジがすごいのはそれだけではない。MLBの他の全選手よりも16本も多いのだ。これは1932年にアスレチックスのジミー・フォックスが58本、ヤンキースでベーブ・ルースが41本打って以来の大差なのである。
また筋肉増強剤が使われていた2001年にジャイアンツのバリー・ボンズ外野手が放った73本よりも少ないものの、今回のジャッジの記録は「クリーン」という評価もされているのだ。実際ナ・リーグでマリスの61本は6回更新されているが、その6回はいずれもドーピングが疑われている選手によるものだったのである。MLBが罰則付きの検査を始めたのは2004年である。
それだけにヤンキースのハル・スタインブレナー・オーナーが「信じられないような偉業だ」と称えるのも、もっともなのである。
ただMVPを受賞し、オールスターに4回出場しているジャッジがまだ手にしていないものがある。それはワールドシリーズ進出だ。数々の栄光を手に、ジャッジはキャプテンとしてその大きな壁にどう挑むか楽しみだ。




