日本ではドジャースの大谷翔平投手がスプリングトレーニングに参加している様子が連日、大きなニュースとして報じられている。その一方で、今シーズンから加入した山本由伸投手もチームメートに強い印象を与えていると、スポーツ専門局ESPNアルデン・ゴンザレス記者が電子版で伝えている。

ロバーツ監督(後方右)の視線を受けながらブルペンで投球練習をするドジャース山本(撮影・菅敏)
ロバーツ監督(後方右)の視線を受けながらブルペンで投球練習をするドジャース山本(撮影・菅敏)

現地9日午後、初めてブルペンで投球を行った山本に対し、球筋を見るため打席に入ったギャビン・ラックス遊撃手と近くで見ていたタイラー・グラスノー投手は共に感銘を受けたという。あるコーチは二人から「エグい」「彼はあちこちにピンポイントで投げていた」と聞いたということだ。

またウエートトレーニングを行わず、柔軟性に重点を置いた独特のトレーニング、とくにやりを投げる練習も注目されているという。

また身長178センチ、体重80キロと決して大きくない体格で、スライドステップのようなフォームから恐ろしい投球を繰り出せることも驚きの対象となっているようだ。グラスノーは「彼は本当にしなやかで本当に強いと思う。体格が必ずしも重要かどうかは分からない。彼は非常に効率的に自分自身を回収することができて、彼のメカニクスには無駄な動きがない。彼の体重配分について考えてみると、必ずしも足を蹴る必要があるかどうかはわからない。とにかく動きがいい。彼の運動能力の高さはわかるから、まったく驚かないよ」と語っている。

やり投げトレーニングをするドジャース山本(撮影・菅敏)
やり投げトレーニングをするドジャース山本(撮影・菅敏)

同じ先発投手のウォーカー・ビューラーも「彼の手から出るボールは本当に素晴らしい。回転も素晴らしい。興味があるので、その全貌を見てみたいと思う」と絶賛し、興味津々の様子だ。

その一方で、メジャーの中4日でのローテーションに対応できるかが課題になっていることも指摘している。山本自身「短い休養で投げた経験がない。しかし、準備としてできることはすべてやった。メカニックの調整やその他多くのことをやった」と語ったということだ。

これに対し、デーブ・ロバーツ監督は、先発ローテーションは 「流動的になる」と話し、ヤマモトには少なくとも5日間の休養をコンスタントに与えることを示唆している。その方針に関してアンドリュー・フリードマン球団社長は「球場への順応もあるし、登板の合間の順応もある。適切な休養の取り方や、メジャーリーグのスケジュールにどう適応していくかを考えなければならない。なぜなら、彼は2024年の我々の活動の大部分を占めるだろうし、何年も我々の活動の大部分を占めるだろうからだ。私たちは今年を、彼に慣れてもらい、それを把握するための1年と捉えている」と説明したということだ。

山本が周囲の期待に応えるパフォーマンスを見せる日が楽しみだ。