ソフトバンクはカブス和田毅投手(34)が日本球界復帰を決断した場合、オファーを提示する方針を固めていることが7日、分かった。11年オフのメジャー移籍後、動向の調査を継続してきた。球団側は野球に取り組む姿勢を高く評価。ブルージェイズ川崎宗則内野手(34)も同様で、日本復帰となれば、古巣に戻ってくることを強く求める考えだ。

 ソフトバンクがOB左腕の獲得に本腰を入れる。カブス和田が日本球界復帰を決めた際に、オファーを提示する方針を固めた。02年ドラフトでダイエーに入団して以来、9年間で通算107勝を挙げた。11年オフにメジャーに移籍。その動向は継続的に調査してきた。古巣球団として、再び迎え入れる考えを強く持っている。

 今季、和田はカブスと単年で再契約を結んだ。左肩の炎症に苦しむなど、8試合で1勝1敗の成績に終わった。チームはプレーオフに進んだが、そのメンバーから外れた。その際に、「マイナーでもいいから米国にいたいと思うのか、それとも日本に戻りたいと思うのか。今はまだ冷静に考えられないし、その必要もないと思う」と来季に対する心境を明かしている。日本球界復帰が選択肢に入る可能性は十分にある。決断すれば、即座に獲得に動くことになる。

 ソフトバンクは投打ともに充実した戦力でリーグ連覇を達成。選手層は厚いが、チーム作りの妨げにはならない。球団関係者は「野球に対する取り組みは素晴らしく、チームに好影響を与える」と和田の加入はプラスになると考えている。また右肩を手術した松坂大輔投手(35)とは同学年。互いに心強い存在になるのは間違いない。

 ブルージェイズで活躍する川崎に対しても、同様の方針を固めている。功労者だから迎えるのではなく、十分に戦力になると判断してのプラン。高い技術や練習姿勢を若手に伝授してもらうという点でも、チームに、もたらすものは大きい。

 ◆和田毅(わだ・つよし)1981年(昭56)2月21日生まれ。浜田-早大を経て02年自由枠でダイエーに入団。03年14勝し新人王。10年には17勝で最多勝とMVPを獲得し、リーグを代表する投手に成長した。11年オフにFAでオリオールズに移籍。180センチ、82キロ。左投げ左打ち。

 ◆和田の渡米後の経緯 渡米1年目の12年、オリオールズの春季キャンプ中に左肘に違和感を覚えた。初の開幕は故障者リスト(DL)入り。5月には「内側側副靱帯(じんたい)部分断裂」と診断が下り、再建手術を受けた。同年はそのままシーズン終了。翌13年4月、キャンプ中のレイズとの練習試合で、手術後初めて実戦登板した。同年の公式戦登板は3Aのみで19試合。13年オフに解雇され、カブスとマイナー契約。メジャー初登板は渡米3年目、カブスに移籍した14年7月8日レッズ戦。15年はオープン戦期間に左太もも痛を発症。6月には左肩三角筋の炎症と苦しんだ。