【ロサンゼルス11月30日(日本時間1日)=四竈衛、斎藤庸裕通信員】ポスティングでのメジャー移籍を表明している日本ハム大谷翔平投手(23)の緊急渡米に、獲得を狙うメジャー球団はそろって対応に追われた。大谷は米到着から一夜明け、代理人とのミーティングを実施。日本ハムは今日1日(日本時間2日)にポスティングシステムの申請手続きを行い、いよいよメジャー球団との交渉が解禁される。
大谷の米国入りを受け、獲得へ動く各球団は、急ピッチで交渉前の最終準備を進めている。この時点での渡米は現地でも予想外だったようで、ナ・リーグのある球団の編成担当は「予想より早い渡米。一気に忙しくなった」と話した。
すでに候補を5球団ほどに絞っているという情報もあるが、フィーバーは過熱する一方だ。ヤンキースのキャッシュマンGMは「プレゼンの書類を(代理人に)提出した。彼は投手でも打者でもすごく特徴的でダイナミックな選手。楽しみな能力を持っている」と話し、入団した場合は投打の「二刀流」を認める考えを示した。
エンゼルスもブレーブスから25歳未満の海外FA選手獲得に必要な契約金枠を121万ドル(約1億3900万円)をトレードで獲得し、総額131万5000ドル(約1億5100万円)へ増額。エプラーGMは地元メディアに「トレードで獲得した資金枠は大谷獲得を見据えたもの。彼の獲得を目指す」と明言した。アスレチックスは投手とDHだけでなく外野での起用構想があるとサンフランシスコ・クロニクル電子版が事情通の話として伝え、パドレスも書類提出済みとサンディエゴ・ユニオントリビューン電子版が伝えた。
マリナーズは殿堂入りしたケン・グリフィー氏が同席するプランを進めているほか、カブスは昨年世界一の名将で独特の人心掌握術でも知られるマドン監督が直接出馬の予定。代理人バレロ氏からの質問状に回答期限は明記されていないが、週明けにも本格交渉がスタートする見込み。大谷側は早期決着を視野に入れており、各球団とも「一発勝負」となる可能性が濃厚だ。
◆ヤンキース キャッシュマンGMは投手とDHでの二刀流は可能という考えを示している。先発ローテに入れる場合は従来の5人ではなく6人体制にすることも可能で、残留を希望している左腕サバシアは6人ローテを歓迎。
◆ドジャース 今季、アイブナー外野手を二刀流にしようと投球練習をさせ、土壌作りをしていた。フリードマン編成本部長は11月の会見で、チームに二刀流選手を置くことに前向きであることを示唆。先発ローテを柔軟に回しているため、起用法にも融通が利く。
◆パドレス 傘下マイナーのベタンコートは現在は投手に専念中だが今季序盤まで捕手と投手の二刀流でメジャーの25人枠に入っていたこともあり、二刀流選手育成には積極的。外野陣や先発ローテが固定された状況ではないため、受け入れやすい。