【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)8日(日本時間9日)=四竈衛】ポスティング制度でメジャー挑戦を目指してきた日本ハム大谷翔平投手(23)の移籍先が、エンゼルスに決まった。代理人のネズ・バレロ氏、エ軍がともに正式に発表した。11月29日の渡米後、書類審査を経て7球団と直接交渉を行った結果、大谷が決断した。背番号は「17」。大谷は9日午後3時(同10日午前8時)、本拠地エンゼルスタジアムで入団会見を行う。

 大谷が最終的に選んだのは、エンゼルスだった。27球団が参戦したといわれる「1次審査」を経て、4日から2日間にわたり7球団と直接交渉を行った結果、エ軍に決断。米西部時間8日正午(同9日午前4時)過ぎ、代理人を務めるCAAのネズ・バレロ氏が、全米中のメディアへ一斉メールで契約合意を発表した。

 同氏は、獲得に動いた各球団へ謝意を示したうえで、エ軍を選んだ理由として「最終的に、彼がエンゼルスとの強い結びつきを感じ、彼のメジャーリーグでの目標を達成するために最高の手助けをしてくれると信じている」と説明した。西海岸の小規模市場を希望したとする見方に対しては、「市場の規模、時差のある地区、リーグは関係ない」と否定。「彼が成長していくため、次のレベルへ到達するうえで最高の環境だと判断した」とした。

 今回の争奪戦では「伏兵」としてみられていたエ軍だが、早い段階から大谷に強い興味を示していた。ビリー・エプラーGM(42)はヤンキースのGM補佐時代に田中獲得に動き、幾度となく来日。と同時に、花巻東高時代から大谷の視察を継続し、その類いまれなる資質にほれ込んでいた。同地区のライバルでもあるマリナーズ、レンジャーズなどとの激しい争奪戦を制したエ軍は「大谷翔平選手が我々の組織に加わることを決断してくれて光栄です」と、球団としてのコメントを発表した。

 ロサンゼルスの代理人事務所に姿を現した大谷は「(コメントは)ないです」と言葉を残したのみだったが、9日にエンゼルスタジアムの正面ゲート前で一般公開の入団会見を行い、自らの思いを語る予定だ。背番号は、日本ハム時代の「11」が永久欠番のため、「17」に決定した。日米両球界の注目を一身に集めた大谷が、いよいよメジャーリーガーとしてのスタート地点に立つことになった。

 ◆ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム 1961年にロサンゼルス・エンゼルスとして創設された。その後カリフォルニア・エンゼルス、アナハイム・エンゼルスと名称変更し、2005年から現名称に。ウォルト・ディズニー社がオーナーだった時期もある。02年にワールドシリーズ初制覇。04年以降で6度の地区優勝も、今季は80勝82敗でア・リーグ西地区2位。3年連続でプレーオフ進出を逃した。日本選手は長谷川滋利、松井秀喜、高橋尚成が所属した。