オリックスからフリーエージェント(FA)権を行使してメジャー移籍を目指していた平野佳寿投手(33)が、ダイヤモンドバックスと2年契約で合意した。22日(日本時間23日)、同球団が発表した。

 平野がメジャー挑戦の夢をかなえた。2年600万ドル(約6億9000万円)という現地報道もあるが、関係者の話では登板数などに応じたインセンティブ(出来高払い)が付くようだ。

 ダ軍にとって、平野は長年獲得を検討してきたターゲットだった。2年前に海外FA権を得た際も、水面下で獲得を検討していた。今年3月のWBCでは中継ぎとして活躍。硬いマウンドや、滑るボールに適応したこともあり、これまで以上に評価は上昇した。

 チームのクローザーは今季限りでロドニーが退団。セットアッパーのブラッドリーが最有力候補とされる一方で、経験の少なさを懸念。11月末にレイズから通算44セーブのボックスバーガーを獲得した。さらに、厚みを増す方針で経験豊かな平野にアプローチ。来季はこの3人からクローザーを選ぶ方針を固めた。

 平野は11月7日に海外FA権行使の手続きをした際、「年齢も年齢なので行くなら最後(のチャンス)。しっかり自分を評価してくれるところでやりたい。お前に任せたという熱意を伝えてくれる球団が一番」とコメントしていた。

 ◆平野佳寿(ひらの・よしひさ)1984年(昭59)3月8日、京都府生まれ。鳥羽では00、01年春の甲子園に出場(01年は登板なし)。京産大を経て05年大学・社会人ドラフトの希望枠でオリックス入団。5年目の10年から救援に転向し、11年最優秀中継ぎ、14年最多セーブ。11年の43ホールド、49ホールドポイント(ホールド+救援勝利)、14年の40セーブは当時パ・リーグ新記録だった。16年に通算100セーブ達成。通算100ホールドも記録している。今年のWBCでは6試合に登板し、1勝0敗、防御率3・38。186センチ、84キロ。右投げ右打ち。

 ◆アリゾナ・ダイヤモンドバックス 98年に球団拡張で誕生。ナ・リーグ西地区所属。01年に史上最速となる創設4年目でワールドシリーズ制覇。今季から元ヤクルトのトーリ・ロブロ監督(52)が就任し、地区2位となりワイルドカードで6年ぶりにポストシーズン進出を果たした。日本選手では12年に斎藤隆が所属。傘下3Aに中後悠平が在籍。アリゾナ州フェニックスにある本拠地チェースフィールド(収容人数4万8633人)は、米国初の開閉式屋根付き天然芝球場で、外野席にプールがあるのが特徴。チーム名の意味は「ガラガラヘビ」。