今年のメジャーリーグが29日(日本時間30日)、いよいよ開幕する。エンゼルス大谷翔平投手(23)は敵地のアスレチックス戦(同午前5時5分開始予定)で、打者として初陣を迎える見込みだ。日米が注目する“二刀流”に、エ軍の先発左腕タイラー・スカッグス投手(26)は「圧倒する姿を見せろ」と米国流のアドバイス。

 多くのチームメートが大谷を「謙虚な人」という中、先発左腕のスカッグスは違った角度から見ていた。

 「僕は彼に自信があるということは分かっているよ。ただ、それを他のみんなにも分かるような、そういう姿をもう少しだけ見せて欲しいね」

 アメリカでは、ビジネス、交友関係、プレゼンテーションなど、あらゆるシーンで「自信」が重要視される。日本人特有の性質の1つでもある「謙虚」は、時として「自信のなさ」としてとられることもある。それが相手に伝われば、スポーツにかかわらず、勝負では不利に働く。「できるまでは、はったりでもできるふりをしろ」という英語のことわざがあるが、スカッグスは「まさにそれ。なぜそうしない?」と、逆に問い掛けるように話した。

 大谷は、キャンプで投打ともに結果が出ずに苦しんだ。それでも、ソーシア監督を始めチームは成功を信じている。スカッグスの意見は、「今はったりでも自信を見せていればいい」という、新しい仲間へのメッセージだ。「マウンドで、圧倒する姿が欲しいね」。傲慢(ごうまん)になれと言っているのではない。自然と醸し出される、自信に満ちた雰囲気の大谷翔平を、スカッグスは楽しみにしている。【斎藤庸裕】

 ◆タイラー・スカッグス 左腕の先発1番手。夢はサイ・ヤング賞獲得。NBAレーカーズのファンで、いつも頭にバンダナを巻くバスケットマンでもある。