マリナーズのイチロー外野手(44)が、今季はメジャー25人枠から外れ、試合に出場しないことが3日(日本時間4日未明)、球団関係者らの話で分かった。

 今後は、マリナーズの特別アドバイザーに就任し、異例の“生涯契約”を結ぶ見込みで、当面はチームに同行しながらサポート役を担うことになる。同日のアスレチックス戦の試合前に、ディポトGM、サービス監督らが会見を行い、正式に発表される。

 もっとも、「引退」ではなく、来季以降も試合出場に可能性を残す独特な雇用形態になるとみられる。マリナーズは4日(同5日)から本拠地シアトルでエンゼルス3連戦を予定しており、エ軍大谷翔平選手との対戦もなくなった。

 イチローは昨オフ、マーリンズからフリーエージェントとなり、12年途中まで在籍したマリナーズに6年ぶりに復帰。契約直後は、故障したギャメルの代役として期待された。しかし、キャンプ途中での合流、右ふくらはぎ故障、実戦での調整不足などが影響。全29試合で、13試合に先発したものの、打率2割5厘にとどまった。

 その一方で、豊富な経験やムードメーカー的な言動で若いチームメートらを支え、ここまで17勝12敗とチームの好スタートに貢献。首脳陣や選手間での存在感は別格だった。球団の象徴、将来の米国野球殿堂入りが確実な功労者でもあり、生涯マリナーズの一員として働いてほしいとの声も強まっていた。